ミラーボックスの写真
ミラーボックス

構造

トラス式のドブソニアンなので、トラス棒の後ろの部分がひとまとまりの 望遠鏡の構成要素になります。この部分をミラーボックスと読んでいます。

1. 主鏡

Discovery Telesopesの16インチ(406mm)主鏡です。 レーザーコリメーターで光軸調整する時に使う主鏡センターマークは初めから付いていました。 水をかけて主鏡を洗浄をする際でもまだ剥がれたことがないので結構しっかりくっついています。 また主鏡の裏側には、71.5"FLの文字が見えるので、焦点距離は71.5インチ(1816mm)ということでしょう。 主鏡中心と思われる十字線も見ることが出来ます。

2. 主鏡セル

主鏡セルは18点で主鏡を支えています。 実際には直径25mmのコルクで18点それぞれが同じ重さを支えるように位置を計算して主鏡を支えています。 この望遠鏡では主鏡を支持する部分と光軸調整の構造を兼ねています。 三角板は3mm厚の鉄板、シーソーは厚さ4.5mm幅25mmの鉄フラットバーとなっています。 文字で説明するよりも写真設計図(主鏡セル)を 見てもらった方が分かりやすいと思います。

なお光軸調整のネジはボルト頭のままですが、そんなに主鏡が重くないので手で簡単にまわります。 また主鏡はセルに乗っているだけで固定してません。

3. ナイロンベルト

主鏡セルの一部ですが、鏡の横から幅40mmのナイロンベルトで主鏡を支えています。 ドブソニアンの場合、望遠鏡は一方向にしか傾かないので傾いたときに鏡のどちらに荷重がかかるかあらかじめわかります。 ですので望遠鏡を傾けたとき、主鏡がずり落ちる方向をナイロンベルトで支えます。望遠鏡を傾けるとナイロンベルトで主鏡の 円弧に沿って吊るようになるので、外周から均等に力が掛かるのでたわみにくいと考えられます。

4. フレーム

主鏡セルを支えるフレームは1.6mm厚、25mm×25mmの鉄角材を溶接して組み立てました。 ボルトなどは銀ロウ付けで取り付けています。なおフレームを溶接するとき、適当な作業台がなかったため、少し歪んだ状態で 作ってしまい、ミラーボックス組み立ての際、大変苦労しました。きちんと平面が得られる場所で作業するべきだと思います。

5. 木部

木部は12mm厚のコンパネ(一番安いやつ)で作りました。私の近くのホームセンターには パネルカッターを備えた工作室があり、材料を買えばその工作室は自由に使えたのでそこで加工しました。 パネルカッターは店員さんに加工を依頼しなければならないのですが、良い精度で直線カットしてくれたのでそのまま 組み立てることが出来ました。

6. 耳軸(高度軸)

耳軸は直径400mmの円盤をルーターを使って切り出します。 12mm厚のコンパネで2枚、6mm厚のシナベニアで1枚の合計3枚切り出し、これらを木工ボンドで貼り合わせて30mm厚の板にします。 そしてそれを慎重に2つに切って耳軸にしました。その後表面を出来るだけ綺麗にし、0.1mm厚のステンレス板をボンドで貼り付けています。 耳軸は別に導入支援装置を使わないのであれば必ずしも真円にする必要はなく、多少凸凹していても良いと思います。

7. トラス取り付け部

トラス取り付け部はM8ネジがミラーボックス内側に突き出る形で取り付けられています。 これにトラス棒をはめて、ノブスターにナットを入れた物でトラス棒を固定します

8. 主鏡の蓋

トップリングカバーを作ったときにあまったプラスチック段ボールで適当に作りました。 組み立ての時に主鏡に物が落ちてくるのを防いでくれます。

9. 重り

ファインダーを重い物に交換したため、バランスがあわなくなってしまいました。 そこで主鏡セルのフレームに工作用クリップを使って鉛インゴットを取り付けることにしました。

その他