ここでは所有している天体ガイドブックのうち、実際にフィールドに持ち出して使用している天体ガイドブックについて紹介します。

The Night Sky Observer's Guide Volume 1 Autumn & Winter

The Night Sky Observer's Guide Volume 1 Autumn & Winter
The Night Sky Observer's Guide Volume 1 Autumn & Winter

取り上げている天体数が Volume 1, 2 合わせて5,541天体もあり、見たい天体をほぼすべて網羅しているといえるガイドブックです。 それぞれの天体について、口径別にコメント、スケッチ、写真、詳細な星図があり、とても参考になります。 いつも観望に持ち込み、必要に応じてページをめくっています。 ただし星図の表示範囲が狭くてどこを見ているのか分からないため、本書だけでは天体導入は難しいと思います。

書名The Night Sky Observer's Guide Volume 1 Autumn & Winter
著者George Robert Kepple, Glen W.Sanner
出版社Willmann-Bell, Inc.
出版年1998年
ISDN0943396581

The Night Sky Observer's Guide Volume 2 Spring & Summer

The Night Sky Observer's Guide Volume 2 Spring & Summer
The Night Sky Observer's Guide Volume 2 Spring & Summer

Volume 1 の続刊(春夏編)です。 非常にマニアックな天体がいとも簡単に紹介されているあたりがとても良いと思います。 あまり有名でない天体の(むしろ小さくて淡い天体の方が多い)スケッチも掲載されており、観望の参考になります。 スケッチのことを"Eyepiece Impressions"(アイピースを覗いた印象)と表現するあたりも、面白く感じます。 こちらも本書だけでは天体導入が難しく、星図と併用しての使用が良いと思います。

書名The Night Sky Observer's Guide Volume2 Spring & Summer
著者George Robert Kepple, Glen W.Sanner
出版社Willmann-Bell, Inc.
出版年1998年
ISDN0943396603

The Night Sky Observer's Guide Volume 3 The Southern Skies

The Night Sky Observer's Guide Volume 3 The Southern Skies
The Night Sky Observer's Guide Volume 3 The Southern Skies

Volume 3が出版されました。 南天の星雲星団について詳細に述べられています。 この本も Volume 1, 2 と同様に多くの天体スケッチが載っています。 内容は Volume 1, 2 で取り上げられなかった主に赤緯50度以南の天体が載っていますが、北緯33度以上から見える天体も531天体含まれているようです。 私は2014年5月よりハワイ島在住ですが、意外と本書が役に立っています。 ハワイ島は北緯20度なので、赤緯70度以北の天体を見ることが出来ます。

また本書の Appendix B にベネット天体(南天で見える、彗星と見間違えないために作成されたリスト。メシエ天体の南天版)についてまとめられています。 いつかこれらを集中的に見てみたいと思っています。

書名The Night Sky Observer's Guide Volume 3 The Southern Skies
著者Ian Cooper, Jenni Kay, George Robert Kepple
出版社Willmann-Bell, Inc.
出版年2009年
ISDN9780943396897

The Observer's Sky Atlas With 50 Star Charts Covering the Entire Sky Third Edition

The Observer's Sky Atlas With 50 Star Charts Covering the Entire Sky Third Edition
The Observer's Sky Atlas With 50 Star Charts Covering the Entire Sky Third Edition

私に星雲星団の観望の楽しさを教えてくれた、本当に役立つガイドブックです。 過去に「フィールド版スカイアトラス」の名で日本語訳も出版されていたようです。 もともとドイツ語の本で、これは英語版の「第3版」です。 星図、天体の特徴等のデータ、簡単なレビューが載ってあり、これ一冊でメジャーな天体の観望を一通り行う事が出来ます。 非常にコンパクトで、どこにでも持って行けるのも良いです。 第3版からは巻末に白黒の天体写真も載りました。これは非常に便利で、どんな天体なのか忘れてしまったときや人に説明するときに大変役立ちます。

書名The Observer's Sky Atlas With 50 Star Charts Covering the Entire Sky Third Edition
著者Erich Karkoschka
出版社Springer-Verlag New York, Inc.
出版年2007年
ISDN9780387485379

Deep-Sky Wonders: A tour of the universe with Sky & Telescope's Sue French

Deep-Sky Wonders: A tour of the universe with Sky & Telescope's Sue French
Deep-Sky Wonders: A tour of the universe with Sky & Telescope's Sue French

この本は米国の天文誌 Sky & Telescope の記事をまとめたもののようです。 全ページカラーで印刷され、全体的に綺麗にまとめられており、不思議と「この天体を見てみたい」という気にさせてくれるガイドブックです。 簡単に導入できる天体から、チャレンジングな天体まで幅広く載っています。 ただし星図はあまりよくないため、フィールドでは使いにくく感じます。

書名Deep-Sky Wonders: A tour of the universe with Sky & Telescope's Sue French
著者Sue French
出版社Firefly Books Ltd.
出版年2011年
ISDN978-1-55407-793-9

天体ガイドブックに求めるもの

私は以下のような天体ガイドブックが理想的な星図だと思っています。

ここで、所有する(していた)天体ガイドブックがこれらの条件を満たしているか比較してみました。

Title (A)(B)(C)(D)
The Observer's Sky Atlas: Third Edition
The Night Sky Observer's Guide: Autumn & Winter
The Night Sky Observer's Guide: Spring & Summer
The Night Sky Observer's Guide: The Southern Skies
Deep-Sky Wonders: Sue French
Title (A)(B)(C)(D)
Celestial Sampler: Sue French
The Arp Atlas of Peculiar Galaxies
Cosmic Challenge: Philip S. Harrington ××
1001 Celestial Wonders to See Before You Die ×
The Complete Guide to the Herschel Objects ×
Title (A)(B)(C)(D)
Messier Marathon Field Guide ×
Deep Sky Companions The Messier Objects ×
Deep Sky Companions The Caldwell Objects ×
Deep Sky Companions Hidden Treasures ×
Deep Sky Companions The Secret Deep ×
Deep Sky Companions Southern Gems ×
Steve O'Meara's Herschel 400 Observing Guide
Nebulae and How to Observe Them ××
星雲星団ウォッチング(浅田英夫)
星雲星団ベストガイド(浅田英夫) ×
星雲星団観察ガイドブック(大野裕明) ×
星雲星団ガイドブック(藤井旭) ×
メシエ天体カタログ(オメーラ) ×
ハーシェル天体ウォッチング(マラニー) ×

凡例 ○:要求を満たす、△:要求を満たしていないが許容可能、×:要求を満たさない、許容できない

多くのガイドブックに載っている星図は中途半端なもので、なかなか目標天体を導入することは難しいように思います。 フィールドで使いやすいように工夫されたガイドブックというのは、意外と少ないです。