ここでは所有している星図のうち、実際にフィールドに持ち出して使用している星図について紹介します。
Sky & Telescope's Pocket Sky Atlas Jambo Edition
非常に評判の良い、 Pocket Sky Atlas の大型判。 文字や記号が大きく、オリジナルよりも視認性が高い。 もちろんオリジナル同様にリング綴じでページを開いたままにすることが可能で、紙は耐水性があって夜露に濡れても大丈夫で、かつ鉛筆での記入も出来る。 星座線も入っているため迷子にならないことも利点だと言える。
ただし単に Pocket Sky Atlas を拡大しただけで、余白が無駄に感じたり、空白を感じたりする。 記載されている星数そのものが少なく、ファインダー視野内との同定が困難なことがあります。 さらに記載されている天体数も少なく、視野内に見えている天体が何だか分からないことがあります。
| 恒星 | 7.6等以上の星、約30,000個 |
| 銀河 | 11.5等以上の銀河、675個 |
| スケール | 6.3mm/deg |
| 書名 | Sky & Telescope's Pocket Sky Atlas Jambo Edition |
| 著者 | Roger W. Sinnott |
| 出版社 | F+W Media, Inc. |
| 出版年 | 2015年 |
| ISDN | 978-1940038254 |
interstellarum Deep Sky Atlas: Field Edition
2016年にAmazon.comで見つけて購入した。 色々と工夫が施されている星図で、見るのも楽しく、非常に実用的な星図です。 最も特徴的なところは、天体が (1)10cmで見える、(2)20cmで見える、(3)30cmで見える、(4)その他、の4種類に、色の濃淡やフォントを使ってうまく区別されているところです。 星図を広げたとき直感的に目に入ってくる天体がつまり明るく見応えのある天体ということで、とてもよく考えられています。 また天体のニックネームやアステリズム名、銀河団のカタログ名などの記載も多い。 星の数も適当で、5cmファインダーでぱっと見える星にほぼ対応していて、星をたどって天体を導入する際に簡単に同定ができる。
ただし天体名が大きな太字（＝10cmで見える、という意味）で記されているからといっても油断してはいけない。 銀河数で言えば660個がこのカテゴリーに属しており、上記のPocket Sky Atlasで記されてる全銀河に相当する。 そのため暗く小さい天体も多く、え、これが？と思ってしまう天体もある。 またページ分割数が114ページと多いため、どこを見ているか迷子になる。
当初 Desk Edition を購入したが、普通の紙で出来ており、夜露や汚れに弱いことが難点と思ったが、新たに購入した Field Edition ではプラスチックの表紙に"Polyart"という耐水性のある合成紙で作られていた。 もちろん鉛筆で書き込みも出来る。Field Edition は高価だが新たに購入する場合はこちらをおすすめする。
| 恒星 | 9.5等以上の星、約200,000個 |
| 銀河 | 口径10cmで見える銀河：660個 |
| 口径20cmで見える銀河：3398個 | |
| 口径30cmで見える銀河：9378個 | |
| その他の銀河：221個 | |
| スケール | 15mm/deg |
| 書名 | interstellarum Deep Sky Atlas Filed Edition |
| 著者 | Ronald Stoan & Stephan Schurig |
| 出版社 | Cambridge University Press |
| 出版年 | 2014年 |
| ISDN | 978-1-107-50339-7 |
星図に求めるもの
私は以下のような星図が理想的な星図だと思っています。
- (A) 星図1ページ当たりの表示範囲が広い（分割ページ数が少ない）
- (B) 5cmファインダーで見える星の表示（限界等級が大きい）
- (C) 大きな文字で天体名が表示されている
- (D) 赤ライトで文字や記号が見えなくならない
- (E) 鉛筆で書き込みが可能
- (F) 天体数が多い
- (G) 星座線が記入され、迷子にならない
- (H) スケールが大きい（mm/deg）
ここで、所有する（していた）星図がこれらの条件を満たしているか比較してみました。
| (A) | (B) | (C) | (D) | (E) | (F) | (G) | (H) | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| interstellarum Deep Sky Atlas: Field Edition | △ | ○ 9.5mag | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 15mm/d |
| Sky Atlas 2000.0: Field Laminated | ○ | ○ 8.5mag | × | ○ | × | ○ | × | 8.2mm/d |
| 標準星図2000 | ○ | △ 7.5mag | × | × | ○ | ○ | × | 6.6mm/d |
| Sky & Telescope's Pocket Sky Atlas: Jumbo Edition | △ | △ 7.6mag | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | 6.3mm/d |
| Cambridge Double Star Atlas | ○ | △ 7.5mag | × | ○ | ○ | × | ○ | 6.0mm/d |
| Sky & Telescope's Pocket Sky Atlas | △ | △ 7.6mag | × | ○ | ○ | △ | ○ | 4.7mm/d |
| 実用全天星図 | ○ | ○ 8.2mag | × | × | ○ | ○ | ○ | 3.9mm/d |
| Cambridge Star Atlas: Forth Edition | ○ | × 6.5mag | × | ○ | ○ | × | ○ | 3.3mm/d |
凡例 ○:要求を満たす、△:要求を満たしていないが許容可能、×:要求を満たさない、許容できない
比較の結果、私が理想的だと思う星図はなかなか無いことが分かりました。 interstellarum Deep Sky Atlas: Field EditionとSky & Telescope's Pocket Sky Atlas: Jumbo Edition が今のところ私の要求を満たす星図で、 その他多くの星図は使う事が無く、結局処分したり、手放したりしてしまいました。