M20三裂星雲のスケッチ

M20 三裂星雲 とはこのあたり一帯の赤色の星雲(南側の領域)と青色の星雲(北側の領域)をひっくるめて指すようだ。 ちょうどこのスケッチの領域がそれに該当する。 眼視ではどちらも色は分からず、同じようなガスの塊に見えるが、色が見えないからといって面白くないわけではまったくなく、複雑な構造が見えて非常に興味深い。 まず南側(写真だと赤い星雲)だが、中心にある二重星とその近くの鋭く切り込んだ暗黒帯が印象的。 これが三裂星雲の三裂たる所以と思う。 この暗黒帯は、倒立像でみるとちょうどベネッセのマークのような、人が手を広げて走っているように感じた。 またこの暗黒帯によって、私には星雲は4~5つ、または5~6つに分かれて見えた。 南側の領域は全体的に塊感が強く、ぎゅっと集まった印象に見えた。

一方で北側の星雲(天体写真では青く写る領域)は淡いガスが非常に複雑に集まってみえる。 中心の金色の明るい恒星が印象的で、その周辺の星雲が特に明るい。 星雲の明るさは南側の星雲と同じぐらいの明るさ。 ここから星雲は周囲に淡い筋となって広がっていく。 南側とは異なり、ふわふわっと複雑に波打ち、どこまでも広がるような印象に見えた。

スケッチを描くのは難しい天体だろうなと思いながらスケッチしたが、やはり非常に難しいスケッチだった。 さらにスケッチを描いている最中に風が強くなり、左手で望遠鏡を押さえながら、右手で覗きながら、スケッチを続けた。 描き終わった直後はイマイチな出来と思ったけれど、帰宅して改めて見たら、思っていた以上に描けていて大変満足した。

天体のデータ
M20 (NGC6514)いて座散光星雲7等28'52000光年
スケッチデータ
スケッチ終了日時2023年6月10日25時20分
観測場所ハワイ島 マウナロア山 スイッチバックから1.4マイル (海抜2,670m)
使用機材自作60cmドブソニアン + SIPS + Morpheus 12.5mm (180倍、0.43度)

M20 三裂星雲 (NGC6514)

M20三裂星雲のスケッチ

名前の通り、三つに分かれているように見える。 星雲ははっきりと広がっているのではなく、淡く、しかし大きく広がっている。 北の星雲(天体写真では青く写る星雲)も淡く見ることが出来た。 OIIIフィルターなしでも見えたがコントラスト良く見るため今回はフィルターを用いてスケッチを描いた。

天体のデータ
M20 (ngc6514)いて座散光星雲7等28'5200光年
スケッチデータ
スケッチ終了日時2007年5月16日26時25分
観測場所東北大学天文同好会安達観測所
使用機材自作40cmドブソニアン + Bandmate OIIIフィルター + パラコア + Nagler Type4 17mm (120倍, 0.67度)