今年最高のシーイングで、はっきりと回折リングが見えた。 薄明後しばらく主鏡の温度順応を待っていたが、風が無く、星を見たところとてもシャープに見えた。 倍率を920倍にしたところ、やはり、回折リングが見えてる。 γ1(主星)は金色の美しい星で、大きく、周辺では滑らかに暗くなっていき、黄色に見える。 星は(回折限界で分解できない)面積があるのが分かるが、本当に小さく針で突いたようで、そのすぐ外側はぐっと暗くなるリングが見える。 これが第一暗環だ。 その後も3重の回折リングまではかなり明るく、その後も5~6重のリングまでは見えていた。 リングは綺麗に一周繋がっているわけではなく、ところどころで切れている。 シーイングでユラユラ揺れているが、スペックルのランダムに瞬くのとは全く違い、回折リングの位置でチカチカと小刻みに振動しているような感じに見える。 また回折リングとは別に回折リングと直交するように中心から光が放射状に広がって見える。 この放射状の光の位置はシーイングでユラユラ揺れているが、この位置もほぼ変化しない。 スパイダーの光条も金色で視野を優にはみ出して伸びて見える。 しかしこのスパイダーの光条、星の周辺の放射状の光や回折リングが見えるあたりではすっと暗くなったように見える。 γ2(伴星)は青白い星で、星はむしろ白色に近く、周辺に行くと青白くなる。 こちらも回折リングは少なくとも3重ははっきりと見える。 よく見るとわずかにスパイダーの光条も見える。
なお主星と伴星は色が違う=波長が違うので回折リングの半径は違うはずなのだけど920倍では倍率が低すぎたのか、はっきりとは分からなかった。 スケッチも920倍では倍率が低すぎていつものスケッチのやり方では回折リングを表現することが出来なかった。そこでスケッチ用紙の余白に中央部分のみのスケッチも行ったが、アイピースを見た時の印象はこちらの方が近い。 やはりヒトの目は集中してみるとズームして見えるような、そのような感じに思う。 もっと高倍率をと思って Abbe Barlow + XW3.5 で1360倍でも見てみたが、さすがに回折リングは見えるものの、視野全体がモヤッと1枚フィルターを通したような感じで、シャープさもイマイチで、風も出てきて振動で星が伸びてしまい、この倍率でのスケッチは難しいと思った。
γ1 Andromedae | アンドロメダ座 | 恒星(K3IIb) | 2.1等 | - | 350光年 |
γ2 Andromedae | アンドロメダ座 | 恒星(B8V+A0V) | 5.8等 | - | 350光年 |
スケッチ終了日時 | 2019年12月23日20時55分 |
観測場所 | ハワイ島 マウナロア山 観測所前の駐車場 (海抜3,400m) |
使用機材 | 自作60cmドブソニアン + SIPS + Abbe Barlow + XW5 (920倍、0.08度) |