ここではバロードレーザーで主鏡の傾きを調整する手順について考察します。
バロードレーザーとは 2002年(2003年?)に Nils Olof Carlin 氏によって考案された光軸調整の手法で、レーザーコリメーターの前にバローレンズ(凹レンズ)を用いる手法です。 バローレンズを用いる事でレーザー光を拡散光として、レーザースポットそのものではなく拡散したレーザー光による主鏡センターマークの影を利用するのがこの手法の特徴です。
以下に計算結果を示します。
よって主鏡の傾き誤差 α、副鏡の傾き誤差 β、接眼部の傾き誤差 γ がある場合、バロードレーザーを使用すると「拡散レーザー光による主鏡センターマークの影」は
x = 2f α + 4b β + 0 γ
の位置に投影されることがわかりました。 これを「レーザー射出部」
x = 0
と一致する(重なる)よう、主鏡の傾きを調整することになります。