M17オメガ星雲のスケッチ

広視野スケッチ の技法で高倍率で拡大しながら広い視野のスケッチを試みた。 天の川の中のため微光星がとても多く、星のプロットが大変だった。 全ては描けていないが、星雲に近いところはできるだけ描いた。 湖面に浮かぶ「白鳥」を横から見たような特徴的な形の散光星雲。 この白鳥の形の部分が特に明るい。 白鳥はちょうど目の位置に明るい恒星があり、くちばしや首のしなやかな曲線など、見事な形としか言いようがない。 さらに面白いのは、白鳥の頭の上星の回りにもガスがまとっていて、これがなんだか白鳥の上に王冠が乗っているような、そんな佇まいを感じた。 これらの白鳥を形作る明るい星雲は一つ塊ではなくていくつかの小さく明るい塊が複雑に並んで作られている。 明るい塊と塊の間には暗黒帯のような、鋭く暗い領域が見える。 この構造も複雑でスケッチが大変だった。

目立つ白鳥の領域のほかにも、全体を淡いガスが取り囲む。 東側の領域には目立ったループ状の淡いガスが見る。 最も東側の星と重なる部分は比較的明るく目立つ一方で白鳥と接続する部分は淡く広がっていてどうなっているのかあまり良く分からない。 南側、白鳥の首や背のあたりにも淡く広がる領域がある。 さらに北側、白鳥の浮かぶ湖の湖面に相当する部分にも、白鳥の水かきで湖面が乱れるように、うっすらと淡い領域が広がっていく。

天体のデータ
M17 (NGC6618)いて座散光星雲n/a11'5500光年
スケッチデータ
スケッチ開始日時2022年6月3日24時00分
スケッチ終了日時2022年6月3日28時00分
観測場所ハワイ島 マウナロア山 観測所前の駐車場 (海抜3,400m)
使用機材自作60cmドブソニアン + SIPS + Morpgeus 9mm (250倍、0.31度)
スケッチ範囲は約0.45度×0.45度

M17 オメガ星雲 (NGC6618)

M17オメガ星雲のスケッチ

星雲の西側から中央部が特に明るく、湖面に浮かぶ白鳥を横から見たような形から、白鳥星雲(Swan Nebula)の愛称があります。 また淡いガスが星雲東側にも見え、これを加えた全体がギリシア文字のω(オメガ)に見えることからオメガ星雲 (Omega Nebula)とも呼ばれています。 今回スケッチをとって初めて星雲東側の淡いガスを見ることが出来ました(が、とても淡い)。 うしてオメガ星雲と呼ばれているか理解でき、うれしかった。

天体のデータ
M17 (NGC6618)いて座散光星雲6等35'6000光年
スケッチデータ
スケッチ終了日時2007年5月22日26時10分
観測場所東北大学天文同好会安達観測所
使用機材自作40cmドブソニアン + Bandmate OIIIフィルター
+ パラコア + Nagler Type4 17mm (120倍, 0.67度)