M51子持ち銀河のスケッチ

広視野スケッチ の技法で高倍率で拡大しながら広い視野のスケッチを試みた。 M51を見た印象はクランピーで腕が細い。 コントラスト良く腕とその間の暗黒帯が見える。 中央の銀河は青っぽく、伴銀河は黄色っぽく感じた。 拡大すると淡くなるが、拡大するだけ細かい所はよく見えるようになる。 恒星は見えるものは全て描いたつもりだが、かなり少ない。 が、かえってそれがM51がぽっかりと浮かんでいる印象に繋がっているように思う。 M51はいつ見ても何回見ても飽きない、本当に見事な銀河だなと思った。

天体のデータ
M51りょうけん座銀河8.1等10.8'x6.6'2300万光年
NGC5195りょうけん座銀河9.6等5.9'x4.6'2500万光年
スケッチデータ
スケッチ開始日時2022年4月2日21時45分
スケッチ終了日時2022年4月2日23時55分
観測場所ハワイ島 マウナロア山 観測所前の駐車場 (海抜3,400m)
使用機材自作60cmドブソニアン + SIPS + XW5 (450倍、0.16度)
スケッチ範囲は約0.23度×0.23度

M51 子持ち銀河 (NGC5194)

M51子持ち銀河のスケッチ

自作60cmドブソニアンに開口マスクをつけて口径40cmで見た場合にどう見えるかを再現してスケッチした。 口径40cmで倍率250倍のため、瞳径は1.6mmとなる。

口径が40cmあると腕ははっきりと見える。 そして腕は滑らかに繋がるのではなく、ところどころ明るい所がある。 曲線ではなく、直線的でカク・カクと曲がって見える。 銀河中心から北側はどうなっているのか良く見えない。 淡く、構造がよく分からない。

その他、構造としてはNGC5195との腕は途中で切れているように見えた。 またNGC5195は南北に延びた淡いハロを持ち、その外側西側に半円形の淡い広がりが見えた。 中心核の明るさはM51よりNGC5195の方が明るいと感じた。

なおスケッチ中何度も薄雲が通過し、細かい構造が見えたり見えなかったりした。 バッチリ晴れていればもう少し見えたかもしれない。

天体のデータ
M51りょうけん座銀河8.1等10.8'x6.6'2300万光年
NGC5195りょうけん座銀河9.6等5.9'x4.6'2500万光年
スケッチデータ
スケッチ終了日時2022年4月23日21時50分
観測場所ハワイ島 マウナロア山 観測所前の駐車場 (海抜3,400m)
使用機材自作60cmドブソニアン(開口マスクで口径を40cmに絞る)
+ SIPS + Morpheus 9mm (250倍、0.31度)

M51 子持ち銀河 (NGC5194)

M51子持ち銀河のスケッチ

自作60cmドブソニアンに開口マスクをつけて口径28cmで見た場合にどう見えるかを再現してスケッチした。 口径28cmで倍率180倍のため、瞳径は1.6mmとなる。 口径28cmだと確かに渦を巻いているのが分かるが、よく見ないとなかなかはっきりとは見えない。 中心核から東側に延びる部分、南~逃がしの部分が特に明るい。 北西は淡いガスのように広がり、腕のようには見えない。 南へ伸びる淡い腕は見えた気がした。 NGC5195の方へ伸びる(北へ伸びる)腕は存在は分かるが繋がっているようには見えなかった。 NGC5195は蝶ネクタイのような形で、明るさはM51の中心核と同じぐらいに見えた。

天体のデータ
M51りょうけん座銀河8.1等10.8'x6.6'2300万光年
NGC5195りょうけん座銀河9.6等5.9'x4.6'2500万光年
スケッチデータ
スケッチ終了日時2022年5月21日21時05分
観測場所ハワイ島 マウナロア山 観測所前の駐車場 (海抜3,400m)
使用機材自作60cmドブソニアン(開口マスクで口径を28cmに絞る)
+ SIPS + Morpheus 12.5mm (180倍、0.43度)

M51 子持ち銀河 (NGC5194)

M51子持ち銀河のスケッチ

自作60cmドブソニアンに開口マスクをつけて口径15cmで見た場合にどう見えるかを再現してスケッチした。 口径15cmで倍率120倍のため、瞳径は1.3mmとなる。

口径15cmでは渦はあるような、ないような、はっきりと見えない。 しかしコアの外側にぐるりとリング状に淡いガスがあるのがわかる。 この淡いリング状の構造は南の星と重なるあたりでいったん途切れるように感じた。 伴銀河(NGC5195)はこれは淡いコアのみが見える。 M51との腕はそれ自体としては全くよくわからない。 しかしM51とNGC5195を全体として包む大きな楕円形または長方形の淡いガスに満たされているような感じに見えた。

天体のデータ
M51りょうけん座銀河8.1等10.8'x6.6'2300万光年
NGC5195りょうけん座銀河9.6等5.9'x4.6'2500万光年
スケッチデータ
スケッチ終了日時2022年4月23日20時20分
観測場所ハワイ島 マウナロア山 観測所前の駐車場 (海抜3,400m)
使用機材自作60cmドブソニアン(開口マスクで口径を15cmに絞る)
+ SIPS + XW20 (120倍、0.61度)

M51 子持ち銀河 (NGC5194)

M51子持ち銀河のスケッチ

M51子持ち銀河のスケッチ

こんな銀河が見たかった! 自作した60cmドブソニアンで描いた最初のスケッチ。 とても細かいところまではっきりと見える。 M51(NGC5194)本体の銀河核はほぼ完全な円型。 そこから2本の腕が時計回りに渦を巻いている。 南側の腕は核からはっきりと伸びているのが分かる。 明るい塊が3つ連なり、少し離れてさらに2つの塊が見え、次に1つ明るい塊、そしてそこからは淡く細く腕が伸びていく。 北側の腕は核との接続部分が非常に曖昧で、どこから繋がっているのかよくわからない。 その後星々の間を縫うように腕が伸び、そこで恒星状の塊と重なる。 その後はカク、カク、と進路を変える。 進路が変わったところと対応するように、明るい塊が見える。 その後腕は非常に淡いが確実にNGC5195に接続するよう、弧を描きながら伸びていく。 NGC5195の銀河核は南北に長い楕円形に明るい。 が、淡い部分を含めるとほぼ円型に広がる。 M51の腕はNGC5195の核の北側で交わっているように見える。

なお対応する天体名は Sky and Telescope誌 2011年7月号 Howard Banichi氏の記事 "Sketching M51" を参考に記入しました。

天体のデータ
M51りょうけん座銀河8.1等10.8'x6.6'2300万光年
NGC5195りょうけん座銀河9.6等5.9'x4.6'2500万光年
スケッチデータ
スケッチ終了日時2016年4月9日24時10分
観測場所ハワイ島 マウナロア山 観測所前の駐車場 (海抜3,400m)
使用機材自作60cmドブソニアン + SIPS + NAV-7SW (330倍、0.22度)

M51 子持ち銀河 (NGC5194)

M51子持ち銀河のスケッチ

M51子持ち銀河のスケッチ

前回のスケッチから久しぶりのスケッチだっが意外とうまくいった。 腕はここまで見えているかといわれると怪しいが、うっすらとそのように見えた。 腕の中に恒星が重なっているのが印象的。 南側の大きな銀河がNGC5194、北の小さい銀河がNGC5195とNGC番号が振られているが、メシエ本人の記述によるとこの2つの銀河をあわせたものを"M51"とするのが適当だと思う。

天体のデータ
M51りょうけん座銀河8.1等10.8'x6.6'2300万光年
NGC5195りょうけん座銀河9.6等5.9'x4.6'2500万光年
スケッチデータ
スケッチ終了日時2007年2月25日26時40分
観測場所東北大学天文同好会安達観測所
使用機材自作40cmドブソニアン + パラコア + Nagler Type4 12mm (170倍, 0.47度)