フィルターなしでもよく見える。 星の数はUHCフィルターを入れると減ってしまう。 淡く、一方で馬の形が見たくて少し倍率を高めにスケッチした。 そのためスケッチの視野はフィルターなしのMorpheus 12.5mmで180倍・0.43度で見て、次にUHCフィルターを入れて星雲を描き、最後に淡い領域の確認としてEthos 21mmで110倍・0.92度にフィルターを入れて観察した。
馬の首の後ろ(たてがみ)付近と頭付近がはっきりとした暗黒帯で黒く抜けているのがわかり、確かに存在がわかる。 一方で馬の鼻先のほうはあいまいでよく分からない。 しかしあごの下にはガスがあることが分かる。 馬と言うより、恐竜か蛇かカメか、そういったかんじのニョキッとした漫画に書いたような頭の形に見えた。
IC434のガスは西側に大きく広がる。 東側もガスで満たされているようで所々濃い領域がみられた。
なおスケッチ後に気が付いたが、やはりどうも天体写真で見慣れている、赤く光っている領域とIC434の形が対応しない。 これは天体写真では主に656nmのHαの輝線を見ているのに対し、スケッチでは500nm付近の[OIII]やHβの線スペクトルを見ているためと思う。 こういった違いがあるから、やはり眼視スケッチは面白いと思った。
IC434 | オリオン座 | 散光星雲 | 60'x10' | 1600光年 | |
B33 | オリオン座 | 暗黒星雲 | 6' |
スケッチ終了日時 | 2022年11月25日26時00分 |
観測場所 | ハワイ島 マウナロア山 観測所前の駐車場 (海抜3,400m) |
使用機材 | 自作60cmドブソニアン + SIPS + Lumicon UHCフィルター + Morpheus 12.5mm (180倍、0.43度) |
有名な馬頭星雲。 バーダーUHC-Sフィルターを用いる事でおぼろげながら見ることが出来た。 馬の頭が見えると言うほどはっきりと見える訳ではない。 「たてがみ」から「頭」にかけて散光星雲と暗黒星雲の境界がよく分かる。 これに対して「首」の下は余りはっきりと見えない。 IC434はおそらく視野いっぱいに広がっているのだろう。 淡くて検出が困難。 IC2023は馬頭に対して明るく、円形にはっきりと見える。 なお暗黒星雲Barnard33の事を指して馬頭星雲と一般には呼ぶようだが、スケッチ対象としては暗黒星雲を見た訳ではなく、B33によって背景の散光星雲IC434に馬頭のシルエットが見えたことから、私はIC434を馬頭星雲と呼ぶことにした。
IC434 | オリオン座 | 散光星雲 | 60' | ||
B33 | オリオン座 | 暗黒星雲 | 6' | ||
NGC2023 | オリオン座 | 散光星雲 | 10' |
スケッチ終了日時 | 2011年10月27日26時15分 |
観測場所 | 福島県福島市 浄土平駐車場 |
使用機材 | 自作40cmドブソニアン + パラコア + Baader UHC-Sフィルター + Nagler Type4 22mm (95倍, 0.85度) |
xi Ori(アルニタク)付近、NGC2024燃える木からIC434馬頭星雲にかけての淡いガスを狙ってスケッチした。 アルニタクをうまく視野外に持ってくることが淡い星雲を見るコツだと言える。 IC434は北は東西に大きく広がるが、南は細く、また暗黒帯(暗黒星雲)があるのか東側にはっきりと散光星雲と暗黒星雲の境界が分かる。 NGC2023は南東方向に尾を引くように見える。 このスケッチを描いた時にも馬頭星雲を見ることが出来た。 意外とコンスタントに見えるようだ。
IC434 | オリオン座 | 散光星雲 | 60' | ||
B33 | オリオン座 | 暗黒星雲 | 6' | ||
NGC2023 | オリオン座 | 散光星雲 | 10' |
スケッチ終了日時 | 2011年10月31日26時30分 |
観測場所 | 東北大学天文同好会安達観測所 |
使用機材 | 自作40cmドブソニアン + パラコア + Baader UHC-Sフィルター + Nagler Type4 22mm (95倍, 0.85度) |