NAV-14SW の樽形の歪曲収差に満足出来ず、NAV-14SWの購入直後ではあったが我慢できずに購入してしまったアイピース。 NAV-14SWと比較するとかなり長い全長を有する。 よく言われているように射出レンズ直径は35.5mmと見かけ視野70度のアイピースとしては特別に大きく感じる。 この直径の35.5mmという数字は見かけ視野102度の NAV-HW の34.9mmよりも大きい。 ただしNAV-HWと比較して最終レンズの曲率は弱い。 のぞき込むと殆ど平坦なレンズに見える。
ピントの合う位置は -5.8mm と、31.7mmスリーブのアイピースとしては例外的にマイナス位置にある。 入射レンズは小さくケラれの心配も無いはずなので+/-0mmの位置や他のDelosアイピースと同じ+6.4mmとしても良いのではないかとも思うが、31.7mmのフィルターを併用したときのケラれを最小化したいという意図なのかもしれない。 いずれにせよこのままでは パラコア2 で最適な位置で合焦させることが出来ない。 そこで純正のTele Vue In-Travel Adapter を追加で購入し、これを常用とした。
使用してみたところ、NAV-14SWで感じた樽型の歪曲は感じられない。 しかし 自作60cmドブ では倍率が低く瞳径が大きくなるため(倍率170倍、瞳径3.6mm)、ほとんど使用する機会はなかった。 天体スケッチでは実視野が広いとそれだけ恒星の数が増えるため描きにくい。 また60cmドブでは光量が十分にあるため倍率を上げても暗くならず、逆に高倍率ほど詳細な構造が見えてくるため、あまり積極的にこの焦点距離を選ぶことはなかった。
焦点距離 | 14 mm (13.8 mm) |
視野絞直径 | 17.3 mm |
見かけ視野 | 72度 |
アイレリーフ | 20 mm |
射出レンズ直径 | 35.5 mm |
重量 | 476 g/407 g |
レンズ構成 | na |
生産国 | 台湾 |
註:重量はIn-Travel Adapter使用時 /31.7mmスリーブ使用時の順に記載。 カタログスペックより実測値を優先して記載。 括弧内は視野絞直径から計算した値。
Pentax XW7(倍率320倍・瞳径1.9mm)では倍率が若干低くコントラストが良くないが、Pentax XW5(460倍・瞳径1.3mm)ではバックグラウンドが暗くなりすぎ、また星像がシャープに見えない場合を何度か経験した。 そこでこれらの中間のアイピースがあれば良いと思い、2017年のブラックフライデーで15% OFFのセールもあったことから購入することとした。 自作60cmドブ に取り付けた場合、倍率390倍・瞳径1.6mmとなり、ちょうど上記2つのアイピースの中間の瞳径が得られる。
購入後に何度か使用したところ、星像はXW5よりも良かった(Delos 6mmのほうが倍率が低いのでシーイングの影響を受けにくいため当たり前といえば当たり前)。 しかし、しばらく使用してみたものの、Delos 6mmでなければ見えないような世界はなく、高倍率で詳細が見たい場合は XW5、視野を広くしたい場合は XW7 がちょうど良く、Delos 6mm は中途半端で活躍する機会は殆どなかった。
焦点距離 | 6 mm (6.0 mm) |
視野絞直径 | 7.6 mm |
見かけ視野 | 72度 |
アイレリーフ | 20 mm |
射出レンズ直径 | 35.5 mm |
重量 | 607 g/477 g |
レンズ構成 | na |
生産国 | 台湾 |
註:重量はIn-Travel Adapter使用時 /31.7mmスリーブ使用時の順に記載。 カタログスペックより実測値を優先して記載。 括弧内は視野絞直径から計算した値。