製作過程写真

"A picture is worth a thousand words."
自身の記録のため、また工作の参考のため、自作60cmドブソニアンの製作過程を写真で紹介します。

Phase 1 : 自作60cmドブソニアンの製作

ハワイ島に転居後すぐに60cmクラスのドブソニアンの自作を考え始めました。2014年9月に価格と納期を問い合わせ、2014年9月26日に鏡を発注しました。その後設計を進めながら順次製作を行い、2016年3月21日に仮架台を用いたファーストライト、2016年4月3日に暫定的な完成を迎えました。

2014-09-14 Lockwood Custom Optics に問合せ
2014-09-30 Lockwood Custom Optics に 24" F3.3 主鏡、5.5" 副鏡を発注

2015-01-11 主鏡モーターの取り付け確認、主鏡セルの仮組み
2015-01-18 主鏡セルの仮組み
2015-01-25 主鏡モーターの部品の製作、主鏡セルジャッキの取り付け
2015-02-08 （再製作）主鏡セルフレームの再製作（寸法が合わなかった）
2015-02-14 （実験）主鏡モーターの取り付け、モーター駆動実験
2015-02-15 主鏡セルの溶接、塗装
2015-02-21 主鏡セルの組み立て
2015-02-22 タイミングプーリーにフランジを貼り付け

2015-04-25 接眼部（Feather Touch Focuser）の購入
2015-05-11 （実験）接眼部の傾きの測定
2015-05-24 接眼部（SIPS）の購入
2015-06-27 ヒロ内で引っ越し、工作環境が大きく変わる

2015-08-15 （改造）主鏡セル裏面支持機構にカウンターウェイトを追加
2015-08-20 （実験）熱膨張率の測定
2015-09-06 （実験）摩擦係数の測定
2015-09-13 （実験）ヤング率の測定

2015-10-30 副鏡セルの部品の製作（主に木工）
2015-11-01 副鏡セルの部品の製作（主に金工）
2015-11-02 自分の車を購入（Subaru XV Crosstrek）、荷物が載らない！
2015-11-08 トップケージの部品の製作
2015-11-09 トップケージの部品の製作、仮組み、車載
2015-11-11 副鏡スパイダーの部品の製作、仮組み
2015-11-22 トラス取付金具の部品の製作、トップケージの仮組み
2015-11-22 ダミー副鏡の製作、フィットテスト
2015-11-29 ミラーボックスの部品の製作、仮組み
2015-11-29 主鏡の裏面遮光板の製作、ミラーカバーの製作
2015-12-04 ミラーボックスにテフロン板の取り付け
2015-12-12 トップケージ遮光板の部品の製作、仮組み、高度軸の部品製作（続き）
2015-12-20 （実験）副鏡スパイダー等の塗装、木工塗装の実験
2015-12-26 ミラーボックス等の塗装
2015-12-26 高度軸の加工、仮組み
2015-12-31 組み立て、車載

2016-01-03 焦点距離は 79.6" になったと連絡、工作を急ぐ
2016-01-10 トラス棒の部品製作、トラス棒の組み立て
2016-01-30 （再製作）トラス取付金具の再製作（小さすぎた）、ファインダーの取り付け
2016-01-31 高度軸にFRP板の貼り付け、高度軸取付金具の部品製作
2016-02-06 高度軸取付金具の取り付け、高度軸の取り付け
2016-02-07 仮架台の製作
2016-02-10 （実験）鏡筒の固有振動数の測定
2016-02-28 （再製作）トラス金具の再製作（強度がなかった）
2016-03-01 24" F3.3 主鏡、5.5" 副鏡の発送の連絡
2016-03-10 主鏡・副鏡開封の儀
2016-03-12 トラス金具の部品製作（続き）、副鏡の貼り付け
2016-03-13 主鏡光軸モーターのコントローラー製作、光軸調整
2016-03-15 （再製作）副鏡の貼り付けのやり直し（光軸ズレが発じた）
2016-03-18 （実験）光軸ズレの検証
2016-03-20 （実験）接眼部の補強、光軸ズレの検証
2016-03-21 仮架台を使ったファーストライト、ピント位置の確認
2016-03-25 （実験）トップケージの補強、光軸ズレの検証
2016-03-25 （実験）ロンキーテスト
2016-03-26 トラス棒の切断
2016-03-26 ロッカーボックスの部品製作

2016-04-03 ロッカーボックスの組み立て、加工
2016-04-03 暫定的な完成
2016-04-09 車載、最初のマウナロア山遠征、天体スケッチ
2016-04-24 車載方法の検討、車載ジグの製作

Phase 2 : 自作60cmドブソニアンの改良

自作60cmドブソニアンは2016年4月3日に暫定的に完成しましたが、その後も望遠鏡の性能の向上、使い勝手の改善のため、実験に基づいて再製作を行い、改良を続けました。 2018年1月20日の再製作後、概ね満足いくレベルに到達したと考えられ、自作60cmドブソニアンは完成しました。

2016-05-07 Aurora Precision 製 1"トラス金具の購入
2016-05-15 （再製作）ミラーボックスの再製作
2016-05-20 （実験）固有振動数の測定、光軸ズレの測定（1" x 6本トラス）
2016-05-21 （再製作）トラス棒の再製作、鏡筒部分の組み立て
2016-05-21 （実験）光軸ズレの測定（1" x 8本トラス）
2016-05-28 オフアキシスマスクの製作
2016-05-29 マウナロア山で観望
2016-06-19 不要な穴のパテ埋め、塗装

2016-07-06 光軸の調整
2016-07-15 車載方法の検討、運搬台車の製作
2016-08-12 （実験）フーコーテスト
2016-08-27 （実験）ハルトマンテスト
2016-09-05 （再製作）副鏡セルの再製作（非点収差の対策）
2016-09-11 （再製作）副鏡セルの再製作（続き）、副鏡スパイダーの加工、塗装
2016-09-17 （再製作）副鏡セルの再製作（続き）、組み立て、光軸調整

2016-10-16 （実験）主鏡の結露とその対策
2016-10-23 （実験）車載ジグにヒーターを設置
2016-11-12 保管方法の工夫
2016-11-20 Catsperch Observing Chair の製作
2016-12-25 （実験）主鏡側面サポートをウレタンに変更、位置調整（非点収差に変化なし）

2017-01-28 （再製作）接眼部の傾きを0度から22.5度に変更、非常に快適！
2017-02-05 トラス鏡筒シュラウド（トラスカバー）の製作
2017-03-13 （実験）主鏡セルにヒーターを組み込んで結露対策
2017-03-19 （実験） 反射率の測定

2017-05-28 StarStep Observing Chair の製作
2017-05-29 （実験）除湿機による主鏡の結露対策
2017-06-03 Aurora Precision 製 1.5"トラス金具の購入

2017-07-08 （再製作）トップケージの再製作
2017-07-15 （再製作）副鏡スパイダーの軽量化、トラス棒の再製作
2017-07-23 （再製作）トップケージの組み立て、高度軸つっかえ棒の加工
2017-07-23 （実験）固有振動数の測定
2017-08-12 （再製作）ロッカーボックスの補強

2018-01-01 （再製作）トップケージ遮光板の再製作
2018-01-03 （再製作）StarStep Observing Chairの再製作
2018-01-08 主鏡の洗浄
2018-01-20 （再製作）グランドボードの改良、テフロンの大型化

2018-01-20 ここまでで概ね満足いくレベルに到達、自作60cmドブソニアンの完成

Phase 3 : 非点収差の検証と解決

自作60cmドブソニアンの完成後、不定期に望遠鏡の性能や使い勝手の向上のための実験改良を継続しています。ファーストライト以来気になっていた300倍以上での非点収差は主鏡に原因があることを特定し、最終的に交換しました。交換後の2020年1月19日の観望、1月20日のハルトマンテストで非点収差が無くなったことを最終的に確認しました。また反射率も実験の結果、満足いく品質のものが得られました。

2018-03-25 保管・車載用のジグの製作

2018-10-14 （実験）非点収差の検証、実験レポート(1)
2018-10-15 Ostahowski Optics に副鏡の再コーティング・再研磨を依頼
2018-11-03 （実験）主鏡吊りジグの製作（主鏡セルを用いないフーコーテスト用）
2018-11-28 （実験）副鏡の組み込み、検証（非点収差に変化なし）
2018-12-25 （再製作）主鏡裏面パッドをデルリンで再製作

2019-01-01 （実験）主鏡側面サポートの位置調整（非点収差に変化なし）
2019-01-02 （実験）主鏡裏面パッドの交換（非点収差に変化なし）
2019-01-26 （再製作）主鏡側面サポートをワイヤー式に再製作
2019-03-10 （実験）主鏡側面をワイヤーに変更、マウナロア山で検証（非点収差に変化なし）
2019-03-15 （実験）マウナロア山で非点収差の評価実験
2019-03-26 （実験）自宅でハルトマンテスト
2019-03-27 主鏡冷却ファンの購入

2019-04-07 StarStep Observing Chair 用の踏み台（すのこ）の製作
2019-04-16 （実験）非点収差の検証、実験レポート(2)
2019-04-30 24" F3.3 主鏡を Fused Quartz 鏡と交換を依頼
2019-05-25 （再製作） 主鏡脱落防止をプラスチックで再製作
2019-05-25 主鏡光軸調整モーターのメンテナンス

2019-10-10 Fused Quartz 主鏡の焦点距離は 77.5 - 78" と連絡（研削完了？）
2019-11-05 Fused Quartz 主鏡の研磨を開始と連絡
2019-11-09 ダミーのトップケージの製作
2019-11-17（再製作）トラス鏡筒シュラウド（トラスカバー）の再製作
2019-11-18 Fused Quartz 主鏡の整形を開始と連絡
2019-11-28 主鏡の洗浄
2019-12-15 Fused Quartz 主鏡の整形が完了したと連絡
2019-12-16 Fused Quartz 主鏡の焦点距離は77.45"とのこと、以前より2.15"短い
2019-12-24 主鏡の洗浄、梱包、Lockwood Custom Optics に発送
2019-12-24 Galaxy Opticsに主鏡のコーティングを依頼

2020-01-09 Fused Quartz 主鏡の発送の連絡
2020-01-15 Fused Quartz 主鏡の開梱、センターマーク貼り付け
2020-01-15 （実験）フーコーテスト
2020-01-18 （実験）合焦位置の確認、トラス棒の切断
2020-01-19 （実験）鏡筒の固有振動数の測定、駆動に必要な力の測定
2020-01-20 （実験）ハルトマンテストによる非点収差の検証
2020-02-17 主鏡の洗浄、梱包、Galaxy Optics に発送、再コーティング
2020-03-03 （実験）コーティングの実験・反射率の測定
2020-03-21 主鏡センターマークの貼り付け
2020-03-22 （実験）コーダーマスクの製作、フーコーテスト

Phase 4 : 運用の効率化

自作60cmドブソニアンの主鏡交換、再コーティング後、期待通りの光学性能を得られるようになりました。あとはどれだけ使い勝手良く効率的に運用できるかを追求していきたいと考えています。性能には妥協せず、軽量化と部品点数を減らす方針で改良しています。

2020-06-06 （改良） StarStep Observing Chairにサイドテーブルを追加

2020-10-09 （実験）瞳径の測定
2020-11-01 望遠鏡ジャッキ、運搬キャスターの製作（ボツ）
2020-11-07 （再製作）主鏡セル裏面支持機構の再製作、溶接、1.3kgの軽量化
2020-12-05 （再製作）主鏡セル三角板の再製作、0.9kgの軽量化
2020-12-12 （改造）高度軸の改良、0.6kgの軽量化
2020-12-12 （改良）ロッカーボックスの加工
2020-12-27 （実験）ルーターを使った「あられ組」の練習

2021-01-03 （再製作）ミラーボックスの再製作
2021-01-24 （再製作）ミラーボックスの組立、塗装、逆に0.6kg重くなる
2021-01-31 （改造）主鏡セルから不要部品の撤去、塗装、組立
2021-02-06 （改造）サイドテーブルのネジ加工
2021-02-06 （改造）遮光板のネジ加工
2021-03-14 （改良）熱収縮チューブによるトラス棒の識別マークの追加

2021-04-04 （実験）瞳径の測定
2021-04-04 （実験）固有振動数の測定
2021-04-17 主鏡・副鏡の簡易洗浄
2021-05-30 ロッカーボックスの虫食い

2021-08-27 ベンダーツールの工作、溶接

2021-10-15 （実験）フーコーテスト
2021-11-27 （実験）ワイヤースパイダーの実験、工作
2021-11-29 （実験）ワイヤースパイダーへの改造と光軸ズレ（ボツ）
2021-12-11 （実験）トラス棒固定ネジのゆるみと光軸ズレ
2021-12-18 （実験）Tネジの製作実験、溶接
2021-12-29 （再製作）副鏡調整ネジの製作、溶接