2023年2月頃に APM よりTMB 1.8x ED Barlow が 再販 されたと聞いて、評判の良いアイピースのため、購入して試してみることにした。 焦点距離が-64 mmの Abbe Barlowと比較して、TMB Barlow は-105mmと焦点距離が長く、その分拡大率が小さいとのことのようだ。 公称値の拡大率1.8倍は 別売のアダプター の使用など、レンズからアイピースを離した場合に得られる倍率なのだろう。 ということで、実際の拡大率は実際に試してみる他ないが、XW5 に直接ねじ込んで使用した場合、拡大率は結構低く、XW3.5 と同じ程度か、少し低い倍率となった。 後日、射出瞳径を測定して拡大率を調べたところ、拡大率は約1.3倍と推定した(XW5、XW3.5 にねじ込んで使用した場合)。
肝心の星像だが、TMB Barlow ありの方が若干シャープでコントラストが良いように感じた。 ただ、これは倍率の違いから来る違いかもしれない。 まだ1回しか使用していないので、今後色々と試してみたい。
入射レンズ直径 | 22.0 mm |
重量 | 21 g |
レンズ構成 | 1群2枚 |
ピント位置 | +9.1mm |
生産国 | n/a |
倍率 | 約1.3倍 |
註:カタログスペックより実測値を優先して記載。
Baadar Planetarium Morpheus 6.5mm と組み合わせることで 2.6mm のアイピースとなり、自作60cmドブソニアン で860倍、瞳径0.7mm、実視野0.09度が得られる計算となる。 Abbe Barlow 2x と XW5 の組み合わせを超える星像を期待して、試してみることにした。
しかし結論から言うと、星像は別に悪くはないのだが、しかし僅かにAbbe BarlowとXW5の星像より僅かに劣るように感じ、倍率も若干低くなることもあって、あまり面白いとは感じなかった。 そのため前述の組み合わせを置き換えるまでには至らなかった。
一方で XW3.5 と組み合わせて約1600倍を試してみたところ、これがギリギリ使え、C39 エスキモー星雲 (NGC2392) で天体スケッチにも使うことができた。 そこで2.5x Powermate はここぞという時のために アイピースケース に入れておくことにした。
なお射出瞳径の測定から推定した拡大率は約2.5倍と公称値の2.5倍に一致した。 射出瞳径の測定は XW5 で行った。
入射レンズ直径 | 17.3 mm |
重量 | 207 g/339 g |
レンズ構成 | 2群4枚 |
ピント位置 | n/a |
生産国 | 日本 |
倍率 | 約2.5倍 |
註:カタログスペックより実測値を優先して記載。
自作60cmドブソニアン の場合、Pentax XW3.5 を使うことで約680倍(主鏡交換後は約640倍)を得ることが出来る。 しかし大気が安定したときにはもう少し倍率が欲しいと感じることも多い。 そこで評判の良い Carl Zeiss Abbe Barlow 2x を購入し、Pentax XW5 と組み合わせて約920倍(890倍)で使用することを考え、今回新たに購入することにした。
Abbe Barlow と XW5 の組み合わせでは高倍率のためすぐ天体が視野外に動いてしまうが、天体の導入や追尾自体は問題なく行うことが出来た。 星像についても、アルマク(γ And)やカストル(α Gem)を見る限り、大気の状態、主鏡や副鏡の収差を原因として高倍率なりにピントははっきりと決まらず甘くなるものの、XW3.5 と同じような見え方で、倍率なりにシャープで十分に使えると感じた。 うっすらとハロがかかったような、コントラストが低くなっているようにも感じたが、星像自体は悪くなっている印象はない。 この印象はほぼ同じ倍率となる XW5 と Abbe Barlow + XW10 との比較でも同じで、若干コントラストが悪くなる印象はあるものの、その差は絶対的ではなく、ブラインドテストだと区別するのは難しいと感じた。
ただし Abbe Barlow も万能というわけではないようで Nikon NAV-12.5HW との組み合わせではダメだった。 M42 を見ながら、NAV-12.5HW + Abbe Barlow と XW5 と XW7 とを比較したが、星像にキレがなく、トラペジウム付近の星雲の複雑な構造が曖昧で、全体的に解像度が低く感じた。 全くダメかと言われるとそうでもないが、NAV-12.5HW + EiC-H10 のあのシャープな星像からするとこの組み合わせで積極的に使うことはないなと感じる。 ちなみに EiC-H10 をつけた状態でも試したがこちらの星像も同様にダメだった。
というわけで Abbe Barlow は当初の予定通り XW5 と常時組み合わせて 2.5 mm、自作60cmドブソニアンで約920倍(890倍)のアイピースとして使うことにした。
なお後日 Baadar Planetarium Morpheus 6.5mm を入手してからは Morpheus のさらにシャープな星像がやみつきになり、Morpheus 6.5mm と Abbe Barlow 2x との組み合わせの690倍でどう見えるのか、また Baadar Planetarium Morpheus 4.5mm との組み合わせの980倍でどう見えるか気になって何度か試したてみた。 しかし結果は、星像は別に悪くはないのだが、イマイチ感動がなく、あまり面白くはなかった。 そのため Abbe Barlow 2x は XW5 から外したが、結局 XW5 と組み合わせて890倍で使うことが一番多いように感じる。
なお射出瞳径の測定から推定した拡大率は約1.95倍と概ね公称値である2倍と一致した。 射出瞳径の測定は XW5 で行った。
入射レンズ直径 | 17.8mm |
重量 | 231g/101g |
レンズ構成 | 1群2枚 |
ピント位置 | +/-0mm/+4.5mm |
生産国 | ドイツ |
倍率 | 約1.95倍 |
註:重量は Howie Glatter Parallizer/ 31.7mmスリーブ使用時の順に記載。カタログスペックより実測値を優先して記載。
定評のあるバローレンズ。 自作60cmドブソニアン が完成してから高倍率での観望にハマり、この 2x Powermate を使ってこれまで以上に高い倍率、特に Nikon NAV-12.5HW と組み合わせて370倍、また EiC-H10 も併用して460倍を得ようと考えた。
いつもアイピースケースに入れて観望に持ち込んでいたが、結局のところほとんど使用する機会がなかった。 正直なところ性能面云々を言えるほど使いこなすことはなかった。 取り付け、取り外し、倍率の計算など、私にはそれら色々が面倒と感じ、結局ほとんどの使うことがなく、そのため最終的に売却することとなった。
入射レンズ直径 | 33.0 mm |
重量 | 384 g |
レンズ構成 | 2群4枚 |
ピント位置 | n/a |
生産国 | 日本 |
倍率 | n/a |
註:カタログスペックより実測値を優先して記載。
NAV-SWのカタログ によるとNAV-SWシリーズとの組み合わせを十分考慮した設計で、1.6倍倍率を向上し像面湾曲・非点隔差をさらに補正するコンバーターとのこと。 また RB星のブログ によると、EiC-16はテレセントリック光学系になっているとのこと。 レンズ構成が2群2枚なので凹レンズと凸レンズの組み合わせで出来ているのだろうか。
アイピースの取り付けは偏芯の少ないチャッキング方式を採用とのことだが、正直これは使いにくい。 縦目ローレット加工された黒い部分だけでなく、その下の銀色の部分も一緒に回転する仕様となっている。 EiC-16を望遠鏡に取り付けた状態でアイピースのみ交換しようといったことが出来ない(EiC-16本体も回転してしまう)。 タカハシの接眼部とは構造が違う。タカハシの方が良く出来ている。 またレンズ部とアイピース取り付け部が一体の筐体となっているため、レンズ部のみ取り外してアイピース先端にねじ込むといった使い方も出来ない。
性能については、2015年1月に NAV-SW シリーズのアイピースを使って自宅で使ってみた感じでは、目立って星像が悪くなったり、良くなったりといった変化は感じなかった。
ちなみにNAV-SW、NAV-HW シリーズにはシリアルナンバーが彫られているが、EiC-16にはシリアルナンバーの表示は無い。
入射レンズ直径 | 22.4 mm |
重量 | 89 g |
レンズ構成 | 2群2枚 |
ピント位置 | 約+/-0 mm |
生産国 | 日本 |
倍率 | n/a |
註:カタログスペックより実測値を優先して記載。
2016年5月に高倍率のアイピースとして Pentax XW シリーズを買い揃えたこともあり、EiC-16 はほとんど使う機会が無く、NAV-SW シリーズのアイピースと共に売却することにしました。