主鏡を交換した後の 自作60cmドブソニアン では Pentax XW3.5 との組み合わせで640倍が得られるが Baadar Planetarium Morpheus 6.5mm を入手してからは Morpheus のさらにシャープな星像がやみつきになり、XW3.5 の代わりに Morpheus 6.5mm と Abbe Barlow 2x との組み合わせの690倍でどう見えるのか気になった。 さらに Baadar Planetarium Morpheus 4.5mm と Abbe Barlow 2x との組み合わせなら980倍が得られる。 これもどう見えるか非常に興味がある。 そこで Abbe Barlow 2x は XW5 から外し、単体で使用できるように戻した。 どのような星像が得られるかは次の新月期に試してみたい。
自作60cmドブソニアン の場合、Pentax XW3.5 を使うことで約680倍を得ることが出来る。 しかし大気が安定したときにはもう少し倍率が欲しいと感じることも多い。 そこで評判の良い Carl Zeiss Abbe Barlow 2x を購入し、Pentax XW5 と組み合わせて約920倍で使用することを考え、今回新たに購入することにした。
Abbe Barlow と XW5 の組み合わせでは高倍率のためすぐ天体が視野外に動いてしまうが、天体の導入や追尾自体は問題なく行うことが出来た。 星像についても、アルマク(γ And)やカストル(α Gem)を見る限り、大気の状態、主鏡や副鏡の収差を原因として高倍率なりにピントははっきりと決まらず甘くなるものの、XW3.5 と同じような見え方で、倍率なりにシャープで十分に使えると感じた。 うっすらとハロがかかったような、コントラストが低くなっているようにも感じたが、星像自体は悪くなっている印象はない。 この印象はほぼ同じ倍率となる XW5 と Abbe Barlow + XW10 との比較でも同じで、若干コントラストが悪くなる印象はあるものの、その差は絶対的ではなく、ブラインドテストだと区別するのは難しいと感じた。
ただし Abbe Barlow も万能というわけではないようで、Nikon NAV-12.5HW との組み合わせではダメだった。 M42 を見ながら、NAV-12.5HW + Abbe Barlow と XW5 と XW7 とを比較したが、星像にキレがなく、トラペジウム付近の星雲の複雑な構造が曖昧で、全体的に解像度が低く感じた。 全くダメかと言われるとそうでもないが、NAV-12.5HW + EiC-H10 のあのシャープな星像からするとこの組み合わせで積極的に使うことはないなと感じる。 ちなみに EiC-H10 をつけた状態でも試したが(スリーブにすべて入らない)、こちらの星像も同様にダメだった。
というわけで Abbe Barlow は当初の予定通り XW5 と常時組み合わせて 2.5 mm、自作60cmドブソニアンで約920倍のアイピースとして使うことにした。
入射レンズ直径 | 17.8mm |
重量 | 231g/101g |
レンズ構成 | 1群2枚 |
ピント位置 | +/-0mm/+4.5mm |
生産国 | ドイツ |
註:重量は Howie Glatter Parallizer/ 31.7mmスリーブ使用時の順に記載。カタログスペックより実測値を優先して記載。
定評のあるバローレンズ。 自作60cmドブソニアン が完成してから高倍率での観望にハマり、この 2x Powermate を使ってこれまで以上に高い倍率、特に Nikon NAV-12.5HW と組み合わせて370倍、また EiC-H10 も併用して460倍を得ようと考えた。
いつもアイピースケースに入れて観望に持ち込んでいたが、結局のところほとんど使用する機会がなかった。 特に性能面に不満を感じたことはなかったが、取り付け、取り外し、倍率の計算など、私には色々と面倒に感じ、最終的に売却することにした。
入射レンズ直径 | 33.0 mm |
重量 | 384 g |
レンズ構成 | 2群4枚 |
ピント位置 | n/a |
生産国 | 日本 |
註:カタログスペックより実測値を優先して記載。
Baadar Planetarium Morpheus 6.5mm と組み合わせることで 2.6mm のアイピース、自作60cmドブソニアン で860倍、瞳径0.7mm、実視野0.09度が得られる計算となる。 これらを組み合わせると全長は221mmとなり、全長はかなり長くなる。
入射レンズ直径 | 17.3 mm |
重量 | 207 g/339 g |
レンズ構成 | 2群4枚 |
ピント位置 | n/a |
生産国 | 日本 |
註:カタログスペックより実測値を優先して記載。
NAV-SWのカタログ によるとNAV-SWシリーズとの組み合わせを十分考慮した設計で、1.6倍倍率を向上し像面湾曲・非点隔差をさらに補正するコンバーターとのこと。 また RB星のブログ によると、EiC-16はテレセントリック光学系になっているようだ。 レンズ構成が2群2枚なので凹レンズと凸レンズの組み合わせで出来ているのだろうか。
アイピースの取り付けは偏芯の少ないチャッキング方式を採用とのことだが、正直これは使いにくい。 縦目ローレット加工された黒い部分だけでなく、その下の銀色の部分も一緒に回転する仕様となっている。 EiC-16を望遠鏡に取り付けた状態でアイピースのみ交換しようといったことが出来ない(EiC-16本体も回転してしまう)。 タカハシの接眼部とは構造が違う。タカハシの方が良く出来ている。 またレンズ部とアイピース取り付け部が一体の筐体となっているため、レンズ部のみ取り外してアイピース先端にねじ込むといった使い方も出来ない。
性能については、2015年1月に NAV-SW シリーズのアイピースを使って自宅で使ってみた感じでは、目立って星像が悪くなったり、良くなったりといった変化は感じなかった。
ちなみにNAV-SW、NAV-HW シリーズにはシリアルナンバーが彫られているが、EiC-16にはシリアルナンバーの表示は無い。
入射レンズ直径 | 22.4 mm |
重量 | 89 g |
レンズ構成 | 2群2枚 |
ピント位置 | 約+/-0 mm |
生産国 | 日本 |
註:カタログスペックより実測値を優先して記載。
2016年5月に高倍率のアイピースとして Pentax XW シリーズを買い揃えたこともあり、EiC-16 はほとんど使う機会が無く、NAV-SW シリーズのアイピースと共に売却することにしました。