自作40cmドブソニアンおよび自作60cmドブソニアンで使用している・使用する予定のファインダーについて紹介します。
国際光器で販売されている EF-508 正立ファインダー です。 正立、暗視野照明装置付きのファインダーで、2015年現在日本国内で簡単に入手が可能です。 私はこれまでに3cm倒立、3cm正立、5cm倒立、6cm正立、7cm倒立、テルラド、Sky Surfer3、Quick Finder、と色々とファインダーは試してきましたが、使い慣れていることもあると思うのですが、私にはこの5cm正立ファインダーが一番しっくりきています。
(タカハシの5cm倒立と比べると)コントラストが低いこと、輝星が視野内にいるとゴーストが生じてしまうこと、電池持ちが悪いこと、暗闇での電池交換が大変な事、暗視野照明装置の輝度調整の範囲が小さく眩しすぎること、等々多くの欠点もありますが、正立であると言った利点の方が勝ります。導入支援装置等を使わずファインダーで星の並びを確認して天体を導入する私の天体導入スタイルではこのファインダーが一番使いやすくバランスが取れていると思います。
なお私はこのファインダーの暗視野照明装置を改造し、赤色発光ダイオードを使用した自作の調光回路に置き換えて使用しています。 調光回路の置換によって上記のいくつかの欠点を克服することが出来ました。
メーカー | 国際光器 |
商品名 | EF-508 正立ファインダー |
有効径 | 48mm |
コーティング | マルチコート |
倍率 | 8倍 |
見かけ視野 | 56度 |
実視野 | 7度 |
プリズム | ペシャン型 |
接眼レンズ | ケルナー型 |
アイレリーフ | 18mm |
ファインダー質量 | 810g (ファンダー脚、調光回路、ヒーターシステム 含む) |
照明 | 暗視野照明 |
調光回路 | 自作 |
電源 | 単4電池2本(改造後。純正だとLR44 x2個) |
純正の暗視野照明装置の調光回路だと輝度調整範囲が狭く、また私には眩しすぎるように感じます。 加えて電池容量が小さく、それなりの頻度で電池交換が必要になるのですが、暗闇での細かい作業となるため電池交換が非常に面倒かつ大変な作業でした。
そこで私は調光回路を自作しファインダーに組み込むことにしました。 ギリギリまで暗く出来るため淡い天体のファインディングでも邪魔になりません。 電源は単4電池2本としたことで寒冷地でも長時間使用する事が出来るようになりました。 この改造は非常に有効でお勧めです。
電気回路は天体望遠鏡の作り方「天文屋の電気工作」に紹介されている明視野照明装置のものを用いました。 作例と同じように、私も可変抵抗に空中配線して小さなプラスチックのケースに入れました。 ケースはファインダー脚に伸縮性のあるネオプレーン素材のベルクロ(釣り具屋で売っている)で固定しました。
ファインダーへのLEDの取り付けは手を抜きました。 もともと暗視野照明装置が取り付けられていたネジ穴に赤色発光ダイオードを差し込み、上から黒ビニールテープで貼り付けて固定しただけです。 これでも十分に機能していて十分使えます。
以下に参考として回路図と実験結果等をメモした実験ノートをスキャンして載せておきます。 クリックすると拡大して見ることが出来ます。
可変抵抗を直列に繋いだ回路、LMC555 を用いた PWM (Pulse Width Modulation) による調光回路も比較検討・実験しましたが、点灯しているかどうかギリギリの明るさを出すことが難しく、また完全に消灯させることがこれらの回路では難しく、いずれも天文用の調光回路としては適していないと判断しました。
2015年9月から自作40cmドブソニアンへのファインダーの取り付け方法を変更しました。 2014年5月にハワイに転居したのですが組み立てたまま運搬ハンドルで移動させて自宅で観望する機会が増えました。 これまでのトラスパイプにクリップで載せていただけのファインダーの取り付けでは移動の度にファインダーが狂ってしまい毎回合わせるのが面倒でした。そこでトップリングに直接固定する方法に変更しました。 ただしバランスが合わなくなってしまったため、ミラーボックスにさらに重りを追加する必要があります。
2015年8月まで自作40cmドブソニアンへのファインダーの取り付けはトップリングではなくトラスパイプに載せただけで使用していました。 こうすることで重心を下げ、また見やすい位置で使う事が出来ました。 固定は大型のクリップで留めていましたが、一度も落下したことはありませんでした。
構造上どうしても望遠鏡を組み立ててる度にファインダーが狂ってしまいますが、北極星を使って簡単に直すことができたので実用上の問題はありませんでした。 ただしファインダーが乗っているトラスパイプを手で直接触って望遠鏡を操作しようとするとファインダーが狂ってしまいました。 望遠鏡を操作するときはトップリングカバーを固定するためのノブスターを持ち、トラスパイプを持って操作しないよう注意する必要がありました。