2022年4月頃から自作76cmドブソニアンの検討をはじめました。 2025年夏の完成を目標に、2023年6月から具体的に計画を進めていきます。
自作60cmドブソニアン を用いた観望や 天体スケッチ の経験から、銀河や星雲といった天体こそ300倍以上の高倍率で観望することでより詳細が見えてきて非常に面白いことが分かりました。 口径60cmでは300~400倍といった高倍率でも射出瞳径は1.5~2.0mmで視野は暗くならず快適に観望・スケッチが行えます。 メシエ天体はもちろん、NGCやIC天体も単なる光のシミではなく特徴のある天体として見えてきます。 私はすっかり大口径・高倍率の虜になりました。
しかし一方で口径60cmの限界も見えてきました。 例えば M87のジェット はギリギリ見えたつもりですが本当にかすかで見えた確証が持てません。 しし座の渦巻き銀河 M95 は天体写真では美しいθの形をしていて眼視でもそれらしい広がりは分かりますがはっきりしません。 エリダヌス座の渦巻き銀河 NGC1300 はいつ見てもコントラストが悪く感じます。 へび座にある有名な HCG79 セイファートの六つ子 は暗くて淡くて口径60cmでもはっきり見えるのは3つだけです。
そこで口径をさらに大きくして、口径60cmよりも高い倍率でより詳細を、また同じ倍率でも光量の多さからより高コントラストに、これまで見てきた天体や、まだ見たことのない天体の世界を覗いてみてみたいと考えました。
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そこで自作76cmドブソニアンを計画しました。 今回もドブソニアン本体は自作することとします。 自作60cmドブソニアンの製作と運用の経験から、自作76cmドブソニアン計画では以下のような技術的な試み・工夫を設定して製作します。
これは絶対条件。 眼視の場合には空の暗さが最も重要。 軽バンかミニバンで1人で空の暗い観測地に持ち運んで1人で組み立てて1人で使えるように製作します。
車に載せる事を考えると車の荷室フロアの幅(ホイールハウス幅)と荷室の高さが鍵。 今乗っているフォレスターやクロストレックといったSUVだとホイールハウス幅は106 cmあるため口径 30 inch(762 mm)や 32 inch(813 mm)でもギリギリ載りそう。 しかし荷室の高さに余裕がなくSUVだと無理。 車はやはり軽バンかミニバンが必要。
また重量について、望遠鏡の全重量が口径の2.5乗に比例すると考えると 30 inch(762 mm)の場合は 79.9 kg x (30"/24")2.5 = 140 kg、32 inch(813 mm)の場合は 79.9 kg x (32"/24")2.5 = 164 kg 程度。 車の最大積載量から、重量は問題なさそう。
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このサイズのドブソニアンとなるとどうしても大きく重く嵩張ってしまいます。 そこでできるだけ小さく軽く作ることを目指します。 そのため便利な機能や将来拡張などへの対応は諦めます。 このドブソニアンは高倍率での星雲星団銀河の観望・天体スケッチに特化した設計とし、それ以外はバッサリ諦める(または性能を妥協する)ことで最低限の小型・軽量とします。 小さく作ることで高剛性も目指します。
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今回から3次元CADを使って3Dモデルを作成しながら設計します。 合わせて有限要素法(FEM)による解析を行い、どうすればシンプルで高剛性な構造とできるか机上で検証します。 三次元的な配置を前提に小型・軽量を目指します。 机上で吟味することで無駄な製作や購入も減らします。
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自作60cmドブソニアンの運用の経験から、主鏡は観望の後だけでなく普段の昼夜の温度差でも容易に結露することが判明しました。 車に乗せっぱなしにしているだけで、さらに言えば屋内でも空調されていなければ、昼夜の温度差によって主鏡は結露してしまうのです。 主鏡が結露すると表面の汚れが鏡面にこびりつき、反射率の低下や散乱光の増大が生じて観望や天体スケッチが面白くありません。 そこでミラーボックスは密閉できる構造として、使用しないときは乾燥剤で乾燥させ、保管中に結露しないようにします。
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性能に直結する部分はこだわりたいと考えますが、そうでない部分は無駄に凝らず、手を抜けるところはできるだけ手を抜いて製作します。 例えば合板の加工など、どうしても失敗して少しささくれたりしますが、強度に影響しない失敗は無視することにします。売り物ではないですし、望遠鏡は夜に使うものです。 これまでの自作の経験を生かして、ポイントを押さて、こだわらなくて良いところは積極的に手を抜いて作ることを心がけます。
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自作60cmドブソニアンの経験から 450倍 や 640倍 といった倍率での観望やスケッチでも追尾がなくても全く問題ないことが分かりました。 さらに 830倍、890倍、920倍、1600倍 といった倍率でも、さすがに天体がすぐ視野外に逃げてしまいますが、少しだけ望遠鏡を動かせばちゃんと追うことができることも分かりました。 さらに 美星天文台101cm望遠鏡での経験 から、本当に淡い領域は天体が動いてないと見えないことも分かりました。 天体が日周運動で動いて見えるほうが、より淡い領域が見えるのです。
天体の導入についても、自作60cmドブソニアンでは5cm正立ファインダーと星図で星を一つずつ対応させていくことで全く問題なく導入できます。 340倍でもほぼ100%視野内に入りますし、450倍や640倍でも少し視野を振ればすぐ入ります。 むしろファインダーの視野の星を辿って天体を探すのが面白いです。
よって天体の追尾や導入は、どちらもシンプルに手動とします。
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そもそもこのサイズの望遠鏡を個人で所有すること自体、チャレンジングだと思います。 うまく製作できるかどうか分からないし、完成してもうまく使いこなせるか分かりません。 使う環境(日本国内を想定)も口径を生かせるか分かりません。 完成したところで使う時間がどれだけ確保できるかも分かりません。 眼の感度や体力など、健康上の心配もそろそろ感じる歳になってきました。
色々と考えることがあるのは事実ですが、「今この瞬間がこの先の人生で最も若い」、悩んでもしょうがないので思いきって口径76cmのドブソニアンを自作することにしました。
失敗しても、気に入らなくても、何度でもやり直せば良いだけのことです。 私は次、さらに大口径に進むことにしました。
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以下の順に具体的なパラメーターを決めました。 これらの基本パラメーターからそれぞれ詳細に設計を進めます。
→ 主鏡の口径は 30 inch(762 mm)とする。
これまで20cm、40cm、60cmと口径アップしてきたので次は80cm = 32 inch(813 mm)が理想。 しかし重量やコストといった現実的なところから少し妥協も必要。 32 inch(813 mm)の分解能は 30 inch と比べ (32"/30")1 = 1.07 と約 7% 大きい。 また集光力は (32"/30")2 = 1.14 と約 14% 大きい。 僅か 2 inch(50.8 mm)の違いだが分解能や集光力の差は意外と大きい。 考えていても結論は出ない。 エイヤで 30 inch (762 mm) に決定。
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→ SIPS の使用を前提としてF値は F=3.0 とする。
銀河を高倍率で見ることを考えればF値を小さくする必要はない。 しかしドブソニアンとしての使いやすさを考えれば焦点距離は短い方が良い。 コマ収差補正レンズ Paracorr Type 2 や SIPS の性能から F値は F=2.7 ぐらいが下限 のようだ。 しかしこのクラスの口径だとF2.7でも焦点距離は2mを超えるため脚立は必須となる。 F値が小さいと副鏡は大きくなる。 F値が小さいと鏡面製作が難しくなる。 また光軸調整も大変。 これも考えていても決まらない。 エイヤで F=3.0 に決定。
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30 inch (762 mm), F=3.0 として、現在所有するアイピースを用いた時の倍率、実視野、射出瞳径を計算します。 射出瞳径が1.5~2.0 mmとなる Morpheus 6.5mm の 400倍、XW5 の 520倍 ぐらいがちょうど良いスイートスポットな倍率となりそうです。 これは面白そう。
76cm F3 + SIPS | |||
---|---|---|---|
Ethos 21mm | 125倍 | 0.79度 | 6.1mm |
NAV-12.5HW + EiC-H10 (10mm) | 260倍 | 0.39度 | 2.9mm |
76cm F3 + SIPS | |||
Morpheus 12.5mm | 210倍 | 0.37度 | 3.7mm |
Morpheus 9mm | 290倍 | 0.26度 | 2.6mm |
Morpheus 6.5mm | 400倍 | 0.19度 | 1.9mm |
XW5 | 520倍 | 0.14度 | 1.5mm |
XW3.5 | 750倍 | 0.09度 | 1.0mm |
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→ 主鏡の厚さは 2 inch(50.8mm)とする。
主鏡は薄ければ薄いほど軽く、材料費が安く、温度順応も早い。 しかし口径80cmクラスとなるとどのみち1人では持ち上げられる重量ではない。 主鏡が薄いと破損のリスクも増大。 主鏡セルの構造も凝った構造が求められる。 諸々のバランスを考えると、60cmドブと同じ口径 対 厚さ、つまり 609.6 mm : 40.4 mm = 15 : 1 ぐらいとなるような厚さが妥当なところと思う。 よって口径30 inch (762 mm) なので厚さは 2 inch (50.8 mm) に決定。
主鏡の仕様 | 鏡周の厚さ | 中央の厚さ | 重量 |
24" f/3.3 Fused Quartz | 40.4 mm | 27.7 mm | 22.1 kg |
30" f/3.0 Fused Quartz | 50.8 mm | 34.897 mm | 43.0 kg |
32" f/3.0 Fused Quartz | 54.0 mm | 37.0 mm | 52.4 kg |
ちなみに 32 inch(813 mm)だと 30 inch(762 mm) と比べて (52.4kg/43.0kg) =1.22 と約 22%(9.4 kg)も重い。 口径僅か 2 inch(50.8 mm)の違いだが重量はかなり違う。
なおここから主鏡中心の厚みは34.897 mmとして設計を進めることにします。
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→ 主鏡の鏡材は Fused Quartz(石英ガラス)とする。
これは経験から Fused Quartz の一択。 経験から Supremax 主鏡の場合は外気温の温度差が2度以下でないと星像への影響を感じるが Fused Qartz なら温度差が10度以下で星像への影響がほぼ無視できる。 ここで Cruxis Telescope の Telescope Mirror Cooling Calculator で公開されている "MirrorCooring.exe" というソフトを使い計算すると、2 inch(50.8 mm)厚の Fused Quartz 主鏡の場合には約30分で温度順応が完了、一方で Supremax だと約120分(2時間)必要となる。 色々とゴチャゴチャ書いたけど、経験からこれは Fused Quartz の一択。
主鏡厚さ | 50.8 mm |
鏡の初期温度 | 20 deg.C |
開始時の気温 | 5 deg.C |
終了時の気温 | 5 deg.C |
計算時間 | 360 min. |
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ここでは公開されている(されていた)情報から主鏡の価格を推定します。
まず自作60cmドブソニアンの主鏡と副鏡の購入価格から30 inch主鏡の価格を推定します。 自作60cmドブソニアンの主鏡と副鏡は色々と回り道をしたため最終的にそれらの調達には $19,050- 必要でしたが、もしはじめから Fused Quartz としていれば $16,400- で調達できていた計算です。
ここで鏡材のコストは体積、鏡面研磨のコストは面積に比例すると考えると、鏡全体のコストとしては口径の 2.5乗 に比例すると考えるのが妥当と考えました。 ここから主鏡の価格を推定すると以下となります。
次に(実は)2018年頃に Lockwood Custom Optics の主鏡の価格がウェブページに書かれており、その価格から推定します。 当時のウェブページには 30" f/3.0 Supremax & 7.0" m.a. Quartz のセットで $23,200- と書かれていました。 直接 30 inch の Quartz の価格は書かれていませんでしたが他の口径では Supremax と Quartz 両方の価格の記載があるものもあり、この価格差を参考にすると Supremax → Quartz の鏡材の変更でコストは概ね 20% 増でした(当時)。 ここから主鏡の価格を推定すると以下となります。
しかしこれらは2014~2018年頃の価格と考えるべきで昨今の米国内(日本国内も?)のインフレを考慮する必要があります。 たとえば Zambuto Optical Company は2022年5月に価格改定が行われ Quartz は約 20% up となりました。 よって2023年現在の主鏡の価格は約 20% のインフレを考慮して以下の推定とするのが妥当と思います。
ちなみに New Moon Telescopes には口径 26 ~ 50 inch のドブソニアン The Big Ones について、光学系あり・光学系なしの両方の価格が記載されており、この差額から 30 inch F3.0 + 副鏡の光学系の価格が計算できます(ちなみにこのドブソニアンの主鏡は Techno-Fusion Mirror というサンドイッチミラーのようです)。
よって公開されている(されていた)情報から推定したところ、2023年現在、30 inch Quartz の価格は $34,000- 程度、32 inch Quartz の価格は $40,000- 程度だろうと推定しました。
と、こんな検討をしていたところ、2023年6月1日に Lockwood Custom Optics の Mike氏より近況伺いのメールが届きました。 そこで思いきって価格を聞いてみたところ・・・30" f/3.0, 2.0"-thick quartz & 7.0" m.a. quartz flat のセットを2023年6月22日に発注することにしました。
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→ 主鏡セルは27点支持とする。
Automated Mirror Cell Optimization で公開されている Plop という主鏡支持点の最適化ソフトを使い主鏡の自重変形を計算しました。 自作60cmドブソニアンと同程度のたわみ量とするためには27点支持とする必要があるようなので、27点支持に決定。
主鏡直径 | 762.0 mm |
主鏡厚さ | 50.8 mm |
焦点距離 | 2286.0 mm |
副鏡直径 | 177.8 mm |
主鏡の仕様 | 鏡周の厚さ | 支持点数 | RMS | PV | 波面収差(PV) |
---|---|---|---|---|---|
24" f/3.3 Fused Quartz | 40.4 mm | 18 | 2.04 nm | 12.6 nm | λ/20 |
30" f/3.0 Fused Quartz | 50.8 mm | 18 | 3.28 nm | 20.8 nm | λ/12 |
27 | 2.16 nm | 10.8 nm | λ/23 |
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→ 光路引き出し量は 480.0 mm とする。
副鏡短径を決定するためにはまず「光路引き出し量」を決定する必要があります。 主鏡の光路を全く遮らない最大の像高(画角)y の時の光路引き出し量 lS を考えると、主鏡口径(直径)を DA、フィルター枠の厚さを tF、Starlight Integrated Paracorr System (SIPS) の合焦位置を fS とすると以下の式で表すことができます。 これらから計算して 479.0 mm、キリの良い数字に丸めて光路引き出し量は 480.0 mm とします。
主鏡口径 DA | 762.0 mm |
像高(画角)y | 5.0 mm |
フィルター枠の厚さ tF | 5.0 mm |
SIPSの合焦位置 fS | 88.0 mm |
→必要な光路引き出し量 lS | 479.0 mm |
→設計値 lS' | 480.0 mm |
なおここからSIPSの先端と副鏡までの距離は 480 - 88 = 392 mmと計算されます。 またSIPSの位置調整範囲は 20~40 mm のため、SIPS先端と取り付け面の距離は 30 mm として接眼部の位置を設計します。
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→ 副鏡短径は 7.0 inch(177.8 mm)とする。
ある像高(画角)y、光路引き出し量 lS の時に副鏡によるケラれが生じない副鏡の短径 DS は主鏡口径(直径) DA、主鏡焦点距離 fA から計算できます。 計算したところ必要な副鏡の短径は 172.6 mm = 6.8 inch となりました。 実際には余裕をもたせて少し大きめ、かつ市販されているサイズから選択することになるため 7.0 inch (177.8 mm)と決定。
像高(画角)y | 5.0 mm |
光路引き出し量 lS | 480.0 mm |
主鏡口径 DA | 762.0 mm |
主鏡焦点距離 fA | 2286.0 mm |
→ 必要な副鏡短径 DS | 172.6 mm (6.8 inch) |
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→ 副鏡オフセット量は 20.1 mm(光軸からの平行移動量は 14.2 mm)とする。
副鏡オフセット量 dO は光路引き出し量 lS、xa、xb を用いて以下の式で書けます。 なお副鏡オフセット量 dO は副鏡面上での(幾何学的な)中心からの距離で、光軸から平行移動させる量としては dO を √2 で割って計算します。
光路引き出し量 lS | 480.0 mm |
xa | 580.48 mm |
xb | 407.91 mm |
→ 副鏡オフセット量 dO | 20.071 mm |
→ 光軸からの平行移動量 dO/√2 | 14.192 mm |
(→副鏡オフセットは光軸から14.192 mmとして設計を進める。)
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→ トップケージの内径は 770 mm とする。
ここまで求めてきた数値を使って 30 inch(762 mm)f/3.0 の光路のケラれ具合を考察します。 ここでトップリングの内径 DT は主鏡口径(直径)DA + 2 x 像高 y = 770 mmとしました。 計算の結果主鏡が F=3.0 と明るいため像高 y'=9 mm(アイピースの視野絞り直径で 18 mm, Nikon NAV-12.5HW + EiC-H10 の視野絞直径17.9 mmに相当)付近からパラコア(Paracorr Type 2 = SIPS)やフィルターで強烈にケラれが生じることが分かりました。
よってトップケージの内径を大きくして光路がケラれないように作ったとしてもパラコアやフィルターで光路はケラれてしまい、意味がないことがわかりました。 一方でこの計算で用いたような、トップリング内径 DT = 770 mm という主鏡直径 30 inch (762 mm)より僅か8 mmしか直径が大きくなくても、トップケージによる光路のケラれはほとんど無視できることが分かりました。
よってトップケージの内径 DT = 770 mm で設計を進めることにします。 ギリギリの大きさですが、全体の小型軽量・高剛性のため、敢えてギリギリの設計とします。
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基本パラメーターが決まったので3D CADでモデルを作りながら全体の構想を練ることにしました。 自作76cmドブソニアン 3Dモデル に随時、まとめていきます。
主鏡口径 | 762 mm (30 inch) |
焦点距離 | 2286 mm (F=3.0) |
主鏡厚さ | 50.8 mm (2.0 inch) |
主鏡中央の厚さ | 34.897 mm |
主鏡重心位置 | 主鏡裏面から 21.666 mm |
副鏡短径 | 177.8 mm (7.0 inch) |
副鏡厚さ | 31.75 mm (1.25 inch) |
焦点引き出し量 | 480 mm |
副鏡オフセット | 光軸から 14.192 mm |
ケラれのない視野角 | φ8.0 mm(φ0.20°) |
接眼部の取り付け角度 | 22.5° |
EL軸直径 | φ1000 mm |
AZ軸直径 | φ772 mm |
EL軸から接眼部までの距離 | 1551 mm |
地面からEL軸までの高さ | 644 mm |
天頂時の接眼部の高さ | 2195 mm |
トップケージ重量 | 11.4 kg |
総重量 | 149 kg |
車載状態での重量 | 160 kg |
EL軸操作に必要な力 | 1.9 kgf |
AZ軸操作に必要な力 | 2.2 kgf @EL = 60° |
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自作76cmドブソニアンでは以下の箇所にこだわってデザインしました。 アイデアが思いつき次第、随時更新していきます。 設計の気づきとしては、このサイズの望遠鏡となると望遠鏡そのものの機能・構造よりもどうやったら安全に確実に運用できるかといった検討に時間と工夫が必要でした。
シンプルな主鏡セル 可能な限りシンプルな形状・構造を採用することで部品数を減らし、剛性アップと軽量化を目指します。 |
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裏面サポートのバランス 望遠鏡を傾けたときに裏面サポートから余計な力が加わらないよう、裏面サポートの各々の小三角形にはカウンターウェイトを取り付け、支持点と重心を一致させます。 |
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4点支持の側面サポート 側面支持はウィッフルツリー構造とし、4点で支えることにします。 こうすることでAz回転させたときに主鏡の位置がズレず光軸が狂わないようにします。 |
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ロッドエンドを用いた支持 主鏡セルとミラーボックスはロッドエンドを用いて荷重を支える構造とします。 望遠鏡を傾けたときは上端のこの1点で主鏡・主鏡セルの荷重を支えます。 ロッドエンドを使うことで荷重を支えつつ、ガタ無く滑らかに支えられると考えました。 |
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モーターを用いた主鏡の光軸調整 小型のDCモーターを用いて下端の左右2点の支持点をモーターで電動で調整できるようにします。 また荷重はロッドエンドを用いて支えることで滑らかに回転するようにします。 モーターを回転させてベルトのテンションを調整します。 |
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最小サイズのミラーボックス 軽量化、高剛性化のため、ミラーボックスは最小サイズとします。 主鏡の物理直径762 mmのため最低限の余裕をみて内寸を802 mm x 802 mm としました。 両サイドは高度軸と兼ねた構造とします。 高さも最低限の高さとします。 |
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密閉構造のミラーボックス ミラーボックス全体は合板で製作し、内側にGFRPを貼り付け、GFRPの層を作ることで密閉できる構造とします。 ネジ穴等はシリコンコーキング材で埋めます。 主鏡が結露しないよう、望遠鏡を使用しないときはミラーボックス内に乾燥剤を入れて密閉できるようにします。 |
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トップケージの収納 ミラーボックスにはトップケージを載せて収納できるような設計とします。 ミラーボックスのフタにトップケージを載せるための金具を取り付けます。 コンパクト・省スペースで望遠鏡を運搬・保管できるようにします。 |
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高度軸のオフセット 鏡筒の完全バランスのため高度軸は光軸から10 mmオフセットさせます。 この図でいうと接眼部やアイピース、ファインダーのモーメントが右側に、高度軸のモーメントが左側にかかります。 これらをうまく打ち消し合う位置に高度軸の回転中心を設定します。 |
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高度軸の位置 鏡筒の完全バランスのため高度軸の位置は何度も設計変更を繰り返しました。 高度軸の位置を変更するとミラーボックスやトラス棒も設計変更となり、重量も変わるため、何回も繰り返す必要があります。最終的に高度軸の回転中心は主鏡裏面から290 mmとしました。 |
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最小サイズのトップケージ 軽量、高剛性のため、また風による振動の発生や望遠鏡の意図しない動きを防ぐため、トップケージは最小サイズとします。 ケラれのない視野をΦ8 mm(実視野で0.20度)として内寸はΦ770 mmとします。 トップケージの高さも最低限の300 mmとします。 |
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全高をできるだけ抑えた副鏡セル 副鏡セルの全高をできるだけ低くするため副鏡の下部がセルに突き出るようなデザインとします。 |
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ロッドエンドを用いた支持 副鏡セルはロッドエンドを用いて荷重を支える構造とします。 副鏡にできるだけ近づけることで光軸調整による副鏡の位置ずれを最小にします。 ロッドエンドを用いることでガタ無く滑らかに加重を支えられるはずです。 |
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副鏡裏面ヒーター 副鏡裏面にはヒーターを仕込み、観望中に結露しないようにします。 |
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幅広のスパイダー 望遠鏡を傾けても副鏡の光軸がズレないよう、スパイダーは最大限に幅を広げて120 mm幅とします。 一方でスパイダーは軽量化のため 1.5mm厚の CFRP の板から切り出します。 |
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ファインダーの位置 自作76cmドブソニアンではファインダーは通常は脚立に乗った状態で使用することになると想定、接眼部に近い位置に取り付けます。 |
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接眼部の取り付け角度 接眼部の取り付け角度は水平(真横から覗くような向き)にはせず、22.5度回転させて取り付けます。 僅かに見下ろすような自然な姿勢で望遠鏡を覗くことで疲労しにくくなるはずです。 |
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光路中の遮光板 高コントラストのため、また風による振動発生や望遠鏡の意図しない動きを防ぐため、副鏡と接眼部の間に遮光板を設置します。 回折光が心配ですが、ひとまずこの設計で進めます。 遮光版は GFRP で製作します。 |
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副鏡の光軸調整 副鏡の光軸調整は手が届くため、あえて手動で調整することでシンプル・軽量化を目指します。 一方で主鏡センターマークを照らすための照明装置は副鏡セルに組み込み、着脱の手間を省きます。 |
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不等長のトラス棒 軽量化、高剛性化のため、トラス棒はEL軸(ミラーボックス)と兼ねた設計とし、各辺に必要最低限の長さ(つまり不等長)のトラス棒とします。 |
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ついたて 通常でも十分に迷光対策できているので追加の迷光対策は不要なはずですが主鏡がほぼむき出しの状態のため観望会等では少し不安です。そこで追加の迷光対策も兼ねてついたて状の部品を用意します。黒色のプラスチック段ボールで製作します。 |
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トラスカバー トップケージとミラーボックスを工夫したので通常状態でも十分に迷光対策できているはずですが、光害地での観望等も考慮してトラスカバー(シュラウド)を念のため用意します。軽く丈夫な40デニールのリップストップナイロンで製作します。 |
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最小サイズのロッカーボックス 高剛性のため、できるだけアイピースまでの高さを抑えるため、ミラーボックスは最小のサイズとします。 60cmドブの経験からロッカーボックスの剛性が低いと振動が収まらないのでここは十分すぎるぐらいの剛性・厚さで設計します。 |
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ベアリングを用いた高度軸 鏡筒部分の重量は108kgと重く、GFRP + テフロンでは摩擦が大きすぎて快適に操作できそうにありません。 そこでEL軸の片側をラジアルベアリングとして摩擦を小さくします。 これでEL軸操作に必要な力は1.9kgfとなるはずです。 |
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ベアリングを用いた方位軸 望遠鏡全体の重量は149kgと重く、GFRP + テフロンでは摩擦が大きすぎて快適に操作できそうにありません。 そこで3つあるAz軸パッドのうち2つをラジアルベアリングとして摩擦を小さくします。 これでEL=60度の時に操作に必要な力は約2.0kgfとなるはずです。 |
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Az回転用パッド Az軸を回転させたときにバックラッシュが発生しないよう、ミラーボックスとロッカーボックスの隙間(El軸のアキシャル方向)にもパッドを取り付けます。 この図だと右側のパッドがAz回転用のパッドです。 |
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着脱式のキャスター 運搬のための手押し車のような構造も考えましたが望遠鏡が大きすぎて無理でした。 そこでロッカーボックスの四隅にキャスターを取り付けられる構造とします。 キャスターは自作の取り付け金具を介して挟み込むように取り付け、ロックネジ1本で固定します。 |
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自作76cmドブソニアンを設計していく中でこのサイズの望遠鏡となると望遠鏡そのものの機能や構造よりもどうやったら安全に確実に運用できるかといった検討に時間と工夫が必要なことに気が付きました。検討の結果をここにまとめます。
自作76cmドブソニアンの組み立ては自作40cmドブや自作60cmドブでやってきたやり方を単に踏襲すればよく、特に問題は無さそうです。
1. ミラーボックスの設置 まずロッカーボックスとミラーボックスを地面に設置します。 |
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2. トラス棒の組み立て 次にトラス棒4セットをミラーボックスに取り付けて組み立てます。不等長のトラスのため、どこにどれを取り付けるかは自明なので迷いなく作業できます。 |
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3. トップケージの取り付け トラスにトップケージを取り付けます。自作60cmドブの場合、トップケージの下面の高さは約176cmですがトップケージは脚立なしでギリギリ取り付けられます。 自作76cmドブの場合はトップケージ下面の高さは約206cmのため、さすがに脚立無しは無理ですが、高さ30cm程度の踏み台があれば大丈夫そうです。 |
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4. ファインダーの取り付けと光軸調整 ファインダーを取り付けます。ファインダーを取り付けた後、望遠鏡を倒して天側・地側のフタを取り外します。 光軸はチェシャとオートコリメーターを使って光軸を合わせます。60cmの経験から光軸はあまりズレないので普段はレーザーコリメーターは使用しなくても大丈夫と思っています。 |
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5. ファインダーの調整と温度順応 接眼部にSIPSとアイピースを取り付け、北極星を使ってファインダーを調整します。 温度順応はQuartz鏡の場合20~30分で完了するはずなので、組み立てと調整を終えて少しすれば星像もシャープになっているはずです。 これで組み立てと準備は完了です。 |
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(6. 迷光対策) トップケージとミラーボックスを工夫しているため通常でも十分に迷光対策できているハズですが光害地での観望会等も考慮して追加の迷光対策を用意しておきます。プラスチック段ボールのついたて、ナイロン布のトラスカバーを製作予定です。これらは組み立て後、必要に応じて後から取り付けられるようにします。 |
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7. 踏み台 望遠鏡は天頂に向けたときアイピースの高さは約2.2mとなるため踏み台を用意します。これまで使ってきた StarStep Observing Chair (の同等品) の構造を応用した踏み台を使います。 高さは10cm刻みで10cm~70cmに調整できます。 観望中に微妙な中腰や微妙な背伸びをしなくても望遠鏡を覗けるようにします。折り畳んでコンパクトに収納できるように作ります。 |
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自作76cmドブソニアンの総重量は約 149 kg と予想されるためどうやっても人力で持ち運べる重さを超えてしまいます。 さらに嵩張るため軽バンやミニバンに車載するにはスペース効率の良い格納方法も考える必要があります。 そこで1人でも安全・確実に車載できる方法を検討します。
a. バイキングアーム バイキングアーム は最大150kgの重量物を保持しながら特許のロック&リリース機構で上下の微調整が可能な多機能ツールです。 バイキングアームを使って自作76cmドブのロッカーボックスを持ち上げ、四隅にキャスターを取り付けることを考えました。 バイキングアームは2つ購入しました。 |
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b. スペーサー(角材) バイキングアームでロッカーボックスを持ち上げてキャスターを取り付ける想定ですが、そのままだと不安定なためスペーサー(角材)を用意します。 2x4材で作ることにしました。 |
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c. キャスター ロッカーボックスの四隅に キャスター を取り付けます。キャスターは直径150mmの空気入りタイヤの製品を選定し、不整地での運搬を可能としたり望遠鏡への衝撃を和らげます。 自作のホルダーへの取り付けのため角は3箇所切り欠きます。 また車のホイールハウスと干渉するため固定レバーは先端を切断することにしました。 |
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d. キャスターホルダー キャスターを簡単に着脱できる自作ホルダーを考えました。 キャスターは横からスライドさせてホルダーに入れ、M10のロックネジ1本で固定します。 |
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e. 車いす用スロープ 長さ約3mの 車いす用のスロープ を使って望遠鏡を人力で押して車載することを考えました。耐荷重は1本で125kg、2本で250kgなので問題ないはずです。 |
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f. 車載用の敷板 直接車載しても良いのですが、シートが傷みそうなこと、完全なフラットにできた方が車載が容易そうなことから塗装コンパネと1x2材、1x4材を使って車載用の敷板を作ります。 先端部は3mm程度ルーターで削り、車いすスロープを載せたときに凸凹が最小になるようにします。 |
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g. 電動ウィンチ 車載のためDC12Vで駆動する 電動ウィンチ を用意します。人力でも押し上げて車載できるぐらいの力 (約32kgf) ですが車載の際の位置や角度の調整等を考えて電動ウィンチを使用します。 |
1. トップケージの収納 トップケージ・ミラーボックス双方の形状を工夫することでトップケージはミラーボクスの上に載せられる構造としました。 ミラーボックスの天側のフタにトップケージ取り付け用の金具を用意して、保管状態でもトップケージは固定できるようにします。 |
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2. キャスターの取り付け バイキングアームを2つ使用してロッカーボックスを持ち上げ、キャスターを四隅に取り付けます。適宜、スペーサー(角材)を入れて安全に作業します。 バイキングアームを使用することでキャスターの着脱が可能になりました。 今回の設計の肝です。 軽い力でゆっくりと安全に望遠鏡全体を上下動できます。 |
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3. 車載の準備 軽バン (N-VAN) の荷台には塗装コンパネで作った敷板を敷いて車輪の乗る箇所をできるだけフラットにします。 また電動ウィンチを設置します。電動ウィンチは助手席後方中央側のタイダウンフックに固定します。 |
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4. 車載 車いす用の長さ約3mのスロープを敷板にかけ、望遠鏡を電動ウィンチで引き上げて車載します。 N-VANの場合、荷台は敷板込みで高さ556mm、傾斜は11.4度、よって水平方向に約32kgfの力で引き上げればよい計算です。 人力でもなんとかなるかもしれません。 |
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5. 電動ウィンチの使用 N-VANはホイールハウスが出っぱっていてフロア幅が905mmしかありません。 自作76cmドブは設計上ギリギリ入るはずですが人力で押して支えながら位置や角度を微調整するのは困難です。 そこで望遠鏡の出し入れでは基本的に電動ウィンチで荷重を支え、人は望遠鏡の位置や角度の調整のみ行えばよいようにします。これで確実に車載できそうです。 |
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6. 車載レイアウト ホンダの軽バン、N-VANで検討してみました。 自作76cmドブの大きさは幅912mm、長さ982mm、高さ1010mm、一方のN-VANはホイールハウス幅が905mmdですが工夫すればギリギリ入りそうです。 その他の機材も(この図では少しはみ出していますが)工夫すれば入るでしょう。 |
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自作76cmドブソニアンの主鏡は自重が 43 kg 程度と人力で運べる重さではなく、またガラスのため取り扱いも特別な注意が必要です。 そこで主鏡の木箱の納品について検討しました。
a. 主鏡木箱 主鏡は木箱に入って納品されると予想しています。 サイズは1000mm x 1000mm x 450mm程度、重さ109kg程度と推定します。 重く大きく、取り扱いが大変そうです。 配送は運送会社の営業所留めとし、軽トラで受け取りに行って、営業所のフォークリフトで軽トラの荷台に載せてもらう想定でいます。 |
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b. 単管パイプ三脚(3m) 自宅にはフォークリフトはないため主鏡の木箱を軽トラから降ろす方法を考えないといけません。 そこで単管パイプ三脚を用意します。軽トラからの積み下ろしでは単管は3mのものを使用します。三脚の角度は65度となるようロープで調整・固定して使用します。これで自宅でも木箱を扱えそうです。 |
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c. レバーホイスト 木箱の吊り上げでは0.5トンのレバーホイストを使います。チェーンブロックでも良いのですが、チェーンがジャラジャラして主鏡にぶつかりそうなのでレバーホイストを選択しました。余ったチェーンは袋に入れて下に垂れないようにします。 |
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d. 木箱運搬台車 自宅にはパレットジャッキもなければフラットなコンクリート床の倉庫も無いため、主鏡の木箱を軽トラから降ろした後は自作したキャスター付きの台車に載せて自由に動かせるようにします。 |
1. 軽トラ荷台からの吊り上げ 軽トラの荷台は概ね高さ660mm、軽トラを単管パイプ三脚の下に停め、荷台に載った主鏡木箱を単管パイプ三脚とレバーホイスト、4mのナイロンスリング2本、シャックルを使って吊り上げます。その後軽トラを移動させて三脚の下にスペースを作ります。 |
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2. 木箱運搬台車へ載せる 軽トラを移動させたあとは主鏡運搬台車を単管パイプ三脚の下に入れ、台車の上に木箱をゆっくりと降ろして載せます。これで安全に地面に降ろせました。なお主鏡木箱と主鏡運搬台車はラッシングベルトで(念のため)固定します。 |
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3. 主鏡の検品と吊り治具の干渉確認 納品したら早速木箱の蓋の外して主鏡を確認します。作業は車庫の下に移動して行います。。鏡面保護のための段ボールや紙は一旦外しますが作業後は元に戻しておきます。主鏡吊り治具がセットできそうかもこのタイミングで確認します。確認後は乾燥剤を交換して蓋をして保管します。 |
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主鏡を木箱から取り出してミラーボックス・主鏡セルに載せる方法も検討しました。 検討の結果、以下の方法をとることで安全に主鏡を搭載できると考えました。
a. 主鏡モックアップ 合板と3Dプリンターで作った部品を組み合わせて主鏡のモックアップを製作します。実際の主鏡を吊る前に主鏡モックアップを使ってここに書いた手順に従ってリハーサルを行って作業手順と安全性を確認します。 |
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b. 単管パイプ三脚(2m) 2mの単管パイプに交換して使用します。3mのままでも良いのですが脚立を使わないとレバーブロックに手が届かないのと低くなれば車庫の下でも使えるようになるのでそうします。2mの単管パイプ三脚の角度も65度となるようロープで調整・固定します。 |
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c. レバーホイスト 主鏡搭載でも0.5トンのレバーホイストを使います。その他、シャックル、1mのスリング等も用意しておきます。 |
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d. 主鏡吊り治具 主鏡を木箱から出すための専用の吊り治具を自作します。 ぴったりサイズの吊り治具で、主鏡を確実につかんでレバーホイストで吊ってゆっくり引き上げます。 主鏡は裏面の端を4点で支えます。 |
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e. 主鏡木箱と主鏡運搬台車 主鏡木箱は主鏡運搬台車に載った状態で保管されていると仮定します。主鏡の搭載としてもこの状態で準備しておきます。 |
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f. ミラーボックスとロッカーボックス 主鏡セルを組み込んだミラーボックスは予め天側・地側のフタを外した状態でロッカーボックスに載せた状態にしておきます。 またロッカーボックスの四隅にはキャスターを取り付けて自由に動かせる状態にしておきます。 |
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g. ジャッキ治具 主鏡を主鏡セルに搭載するのには車載ジャッキ(パンタグラフジャッキ)を使用します。電動化した車載ジャッキに自作した三つ叉の治具で主鏡を裏面から3点で支え、ゆっくりと主鏡セルに降ろします。ジャッキ治具の位置は四隅のアイボルトに紐をくくりつけてそれを引っ張ることで調整します。 |
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h. 主鏡仮置き用の角材(2x3材) 主鏡をミラーボックスの上に仮置きするための角材(2x3材)を2本を用意します。この角材を取り外す時に主鏡の裏面にぶつけてしまう可能性があるため単なる角材ではなく長さ800mmのアルミパイプを取り付けてこれをハンドルにすることを考えました。 |
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i. ガードレール 主鏡をミラーボックスの上に仮置きしたり主鏡をジャッキで持ち上げたりする際にどうしても主鏡は不安定になってしまいます。そこで転倒防止や位置ズレ防止のためガードレールを用意します。ガードレールはミラーボックスの上に載せて使います。 |
1. ミラーボックス側の準備 まずガードレールと主鏡仮置き用の角材(2x3材)2本をミラーボックスの上に置きます。 次にジャッキ治具をロッカーボックスに設置します。ジャッキはある程度上げておきますが仮置き用の角材よりも少し下げた高さにしておきます。 |
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2. 主鏡木箱側の準備 単管パイプ三脚(2m)にレバーホイストと吊り治具を吊り下げた状態で、主鏡運搬台車に載せた主鏡木箱を移動させて三脚の真下になるよう設置します。 この状態で木箱の蓋を外し、開梱していきます。 |
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3. 主鏡木箱の開梱 主鏡木箱の蓋を外して内部の緩衝材をとって主鏡を取り出します。この状態では主鏡の表面にはまだ鏡面保護用の紙や段ボールがマスキングテープで固定されているはずです。吊り治具のコの字の金具をセットして主鏡を吊り上げて木箱から取り出します。 |
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4. 主鏡の吊り上げ 吊り治具で主鏡をつかんでレバーホイストで吊り上げて十分な高さまで吊り上げたら主鏡木箱と主鏡運搬台車をどかします。 |
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5. 主鏡の吊り降ろし #1で準備したミラーボックスを#4で吊り上げた主鏡の真下になるように移動します。レバーブロックを操作して主鏡を降ろし、仮置き用の角材(2x3材)の上に主鏡が載ったらコの字金具を外して吊り治具を外します。降ろした後は吊り治具が主鏡にぶつけないよう慎重に操作して邪魔にならない高さまで吊り上げます。 |
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6. 主鏡の仮置きと移動 主鏡はいったんミラーボックスの上に置いた角材(2x3材)の上に仮置きします。周囲はガードレールで囲われているため転倒の心配もないはずです。この状態で三脚の下からミラーボックスを移動させます。その後、主鏡の鏡面保護用の紙や段ボールを取り除きます。 |
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7. ジャッキを使った主鏡の搭載 ジャッキ治具で主鏡を持ち上げ、仮置き用の角材を慎重に取り外した後、主鏡をゆっくりと降ろして主鏡セルに載せます。車載ジャッキ(パンタグラフジャッキ)はDCモーターで電動で駆動させます。。これで主鏡を安全に主鏡セルに載せることができました。 |
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8. ジャッキ治具の取り外し ミラーボックスを少し(20~30度)傾けた状態でジャッキ治具を後方にずらしてジャッキ治具を取り外します。ジャッキ治具の位置は四隅のアイボルトに紐をくくりつけて隙間から紐を引っ張って調整します。ミラーボックスを傾ける方法は別に考える必要が必要がありそうですが、これでジャッキ治具も取り外せました。 |
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9. ミラーカバーの取り付け 最後に天側と地側の2枚のミラーカバーを取り付けて作業完了です。主鏡を安全に望遠鏡に搭載できました。 |
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光学性能を維持するためには主鏡洗浄を定期的に実施する必要があります。 しかし主鏡を主鏡セルから外す作業はそれなりに危険が伴い作業中に主鏡を破損させてしまう恐れがあります。 そこで専用の治具を用意して安全に主鏡洗浄が実施できる方法を検討しました。
a. 主鏡運搬カート 主鏡をミラーボックスから洗浄台に安全に移動させるための専用の低床のカートを用意します。 直径35mmのラジアルベアリング8コを車輪としてアルミ板のレールの上を滑らかに転がるように製作します。なお主鏡はこの主鏡運搬カートの上で洗浄することになります。 | |
b. 主鏡洗浄作業台車 主鏡洗浄の作業を行うための専用の作業台・台車を用意します。 主鏡洗浄作業台車も直径150mmのキャスターを取り付け、自由に動かせるようにします。 主鏡の転倒防止や作業中の意図しない主鏡への接触に備え、周囲は12mm厚の合板で囲いを取り付けることにしました。 |
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c. 単管パイプ三脚(2m) 洗浄後の乾燥工程で主鏡運搬カートの片側を吊って主鏡を傾けるために単管パイプ三脚を使用します。洗浄では2mの単管パイプを使用します。三脚の角度は65度となるようロープで調整・固定します。 |
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d. レバーホイスト 0.5トンのレバーホイスト、シャックル、1m、4mのスリングを適宜使用します。 たるんだチェーンが主鏡にあたらないよう、またレバーホイストについている油が洗浄した主鏡に落ちないような工夫が必要で、これらは今後要検討です。 |
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e. 主鏡モックアップ 主鏡洗浄作業でも実際の作業前に主鏡モックアップを使ってここに書いた手順に従ってリハーサルを行って作業手順と安全性を確認します。 |
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f. ミラーボックス ミラーボックスは車から降ろした状態で用意しておきます。 |
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g. ジャッキ治具 主鏡を主鏡セルから着脱するためジャッキ治具を使用します。 |
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h. ミラーボックスに置くレール 主鏡運搬カートの移動のためミラーボックスのにレールを敷いてこの上を移動させます。 2x3材の角材に3mm厚のアルミ板をネジ止めしてレールとしました。ほぼ仮置き用の角材と同じですが、アルミ板でレールを作ることで脱線防止対策としています。 |
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i. ガードレール ジャッキ治具で持ち上げた主鏡は不安定なので転倒防止や位置ズレ防止のためガードレールを使用します。これをミラーボックスの上に載せて使用します。 |
1. 主鏡洗浄作業台車側の準備 主鏡運搬カートを載せた主鏡洗浄作業台車を単管パイプ三脚の下にセットします。位置は主鏡運搬カートの片側を吊り上げて主鏡を傾ける時にちょうど良い位置とします。 ここで主鏡運搬カートと主鏡洗浄作業台車を固定する金具、囲いの一部は外しておきます。主鏡運搬カートの主鏡側面サポートもこのタイミングで外しておきます。 |
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2. ミラーボックス側の準備(その1) ミラーボックスを傾けて地側のフタを外します。 |
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3. ジャッキ治具の設置 ミラーボックスを少し(20~30度)傾けた状態でジャッキ治具を後方から入れ、望遠鏡を徐々に天頂に向けながらジャッキ治具も滑らせて前方に寄せ、最終的に主鏡は真上を向いた向き、ジャッキ治具は中央になるよう設置します。ジャッキ治具の位置は四隅のアイボルトに紐をくくりつけて隙間から紐を引っ張ることで調整します。 |
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4. トラス棒取り付けねじの取り外し (設計ミスで)トラス棒の取り付けネジが主鏡運搬カートの動きと干渉することが分かりました。そこでこのタイミングでトラスパイプ取り付けネジを取り外します。干渉して取り外す必要があるネジは合計で2本です。 |
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5. ミラーボックス側の準備(その2) 天側のフタを取り外し、ミラーボックスの上にガードレールを設置します。 |
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6. ミラーボックス側の準備(その3) ミラーボックスを主鏡洗浄作業台車にぴったり付けて固定します。ミラーボックスと台車がズレないようラッシングベルトで固定して作業します。これでようやく作業準備が完了です。 |
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7. 主鏡のジャッキアップ ここから実際の作業です。ジャッキ治具を使って主鏡をジャッキアップします。 |
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8. ミラーボックスレールの設置 主鏡の下にミラーボックスレールを設置します。主鏡にぶつからないよう慎重に設置します。レール設置後はミラーボックス上に置いたガードレールの一部を取り外し、主鏡運搬カートの通り道を確保します。 |
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9. 主鏡の運搬 レールの上を転がして主鏡運搬カートを主鏡の下に入れ、主鏡ジャッキを下げて主鏡をカートの上に載せます。主鏡が完全にカートの上に載ったらカートを走行させて主鏡洗浄作業台車に移動させます。 |
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10. 主鏡運搬カートの固定 主鏡運搬カートを主鏡洗浄作業台車に固定します。まず支点となる金具を取り付け、次にΦ10mmの鉄丸棒を取り付け、カラーで固定します。 |
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11. 主鏡の洗浄 ミラーボックスを動かしてどかして、さらに主鏡洗浄作業台車に囲いを取り付けると主鏡の運搬作業は完了です。安全に主鏡を洗浄台車まで運搬することができました。 次に主鏡はこの状態で洗浄します。洗浄の頻度は1年に1回程度、お風呂から温水をホースで引っ張ってきて屋外で行う想定です。 鏡面の高さは地面から約66cm、楽な姿勢で洗浄できそうです。 |
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12. 主鏡の乾燥 主鏡洗浄後は主鏡運搬カートの片側を吊り上げて主鏡を傾けて乾燥させます。 水滴はエアコンプレッサーで飛ばして水滴が残らないようにします。これで主鏡洗浄の方法も確立しました。 |
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2023年9月16日から実際の工作をはじめました。 自作76cmドブソニアン 製作 に随時、まとめていきます。
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3D CADモデル → 自作76cmドブソニアン 3Dモデル
実際の製作 → 自作76cmドブソニアン 製作
2022年4月 大きな段ボールが手元にあって、何を思ったのか直径30"と32"の円盤を切り出しました。 比較のため24"と16"の円盤も切り出し。 これが計画の始まり? |
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2022年11月 3D CADの練習のため遊びで76cm用の27点支持の主鏡セルを設計、3Dプリンターで1/5モデルを印刷してみた。 自作できそう? |
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2023年6月 60cm F3.3 と 76cm F3.0 の比較(雑コラ)。 意外と大きくない? 運用も何とかなりそう? →2023年6月、光学系を発注。 |
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2023年7月【3D CADを用いた設計】 3D CADを勉強して76cmドブソニアンの3Dモデルを作成。 ドブソニアンの形になりました。 |
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2023年8月【3Dプリンターを用いた確認】 3Dプリンターで1/5モデルを製作。 干渉や不具合がないかは模型を使って確認。 うまくいきそう。 |
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2023年9月【バンドソーの導入】 プロクソンの ミニバンドソウ を買いました。 これは買って大正解、20mmぐらいのアルミ板でも時間をかければ難なくカットできます。 金属加工に目処が立ちました。 →2023年9月、製作を開始。 |
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2023年11月 重心位置や収納も考慮してモデルを修正。 合板の比重を考慮して高度軸の位置を微調整。 FEMで構造解析も実施。 3Dモデルとしてはこれで完成。 |
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2024年3月【木工CNC加工の利用】 トップケージ、ミラーボックス、ロッカーボックスに使うバーチ合板は テツヤ・ジャパン に依頼して木工CNCでカットしてしてもらうことにしました。 |
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2024年4月【工作部屋の整備】 自作76cmドブソニアンの製作のため、実家に念願だった工作部屋を整備しました。 作業台は塗装コンパネと2x4材で自作しました。 |
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2024年5月 主鏡セルは鉄角パイプを溶接して製作しました。 素人の手棒溶接ですが、これまで何度もやってきた成果か、それなりに溶接できるようになってきました。 |
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2024年9月【アルマイト加工】 今回アルマイト加工にチャレンジすることにしました。 特にAzレールなど強度の必要なところをアルマイト加工します。 |
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2024年11月【FRP加工】 今回FRP加工にチャレンジすることにしました。 ミラーボックスの防水防湿加工のトップケージの部品にFRPを使用予定です。 材料は FRP素材屋さん本店 で調達しました。 |
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