このように以前から欲しい欲しいと思っていきたが、いざ実際に買おうとなると、私は高倍率での観望が好きなので、なかなか使わない焦点距離にも感じ、ずっと先送りにしてきた。 しかし2016年4月末にテレビューアイピース 15% Off セールを知り、色々と思案したが、ボーナスが入ったタイミングで思いきって購入することにした($705-)。
自作60cmドブソニアン の設計段階ではEthos 21mmは所有していなかったもののEthos 21mmでもバランスが合うようにドブを製作していたため問題なく取り付けることができた。 F値は3.3と明るいが Starlight Integrated Paracorr System(パラコア2)でうまく補正できているようで星像には全く問題無い。 星像は期待した通り視野端までウルトラシャープ。 自作60cmドブだと倍率110倍、見かけ視野0.89度となり、最低倍率として大きく広がった天体や銀河団などの観望に最適なアイピースとなる。 比較的使用頻度も高い。
ただしこの組み合わせでは瞳径は5.5 mmとなってしまうため、乱視(Cyl:-0.50)のある私の目ではわずかに星が伸びて見えてしまう。 Dioptrx を使うと完全に補正も出来るのだが普段は面倒なので Dioptrx なしで使用している。
焦点距離 | 21 mm (20.7 mm) |
視野絞直径 | 36.2 mm |
見かけ視野 | 100度 |
アイレリーフ | 15 mm |
射出レンズ直径 | 29.8 mm |
絞り環位置 | -9.7 mm |
重量 | 1016 g |
レンズ構成 | na |
生産国 | 台湾 |
註:カタログスペックより実測値を優先して記載。括弧内は視野絞直径から計算した値。
初めて購入した見かけ視野100度の極超広角アイピース。 結像能力が優れていて星雲の淡い構造や微光星がはっきり見える。 見かけ視野は広大だが、周辺まで極めてシャープ。 Ethos 13mm 1本で Type4 17mm とほぼ同じ実視野と Type4 12mm とほぼ同じ倍率を実現できる。 よってEthos 13mmの購入でこれらアイピースの使用頻度が激減し、手放すきっかけとなった。 またEthos 13mmを購入してから6年間も新規にアイピースの購入をする気にならなかった(ちなみに6年後に買ったアイピースは Nikon NAV-12.5HW)。 それだけ自分としては満足度の高いアイピースだと言える。 これ1本で星雲星団、銀河、惑星となんでも楽しむことが出来る。
Nagler Type4 12mmとの比較では、倍率の違いもあると思うがEthos 13mmの方がシャープに結像する。 サークルで所有していたPentax XW14mmとも比較したが、見かけ視野が広いにもかかわらずEthos 13mmの方がシャープに像を結んだ。 ただしNikon NAV-12.5HWとの比較では有意な差があるとは思えなかった。
焦点距離 | 13 mm (12.8mm) |
視野絞直径 | 22.4 mm |
見かけ視野 | 100度 |
アイレリーフ | 15 mm |
射出レンズ直径 | 29.2 mm |
重量 | 590 g |
レンズ構成 | na |
ピント位置 | +22.4 mm/+6.9 mm |
パラコア位置 | na/1- [最も長い] |
パラコア2位置 | na/H+ [+7.6 mm] |
生産国 | 台湾 |
註:ピント位置、パラコア2位置は 1.25''/2'' スリーブの順に記載。カタログスペックより実測値を優先して記載。括弧内は視野絞直径から計算した値。
Ethos 13mmは気に入っていたのですが Nikon NAV-12.5HW、正確にはNAV-12.5HW + EiC-H10 を手に入れてから、13 mmを選択せず一気に10 mmまで倍率を上げることが多くなりました。 そのためEthos 13mmはほとんど使うことが無くなり、2016年末に機材整理のため手放しました。
自作60cmドブソニアンの完成後、より高倍率でより快適に観望しようと思い購入した。 自作60cmドブ + SIPS + Ethos SX 4.7mm の組み合わせで倍率500倍、見かけ視野0.22度、瞳径1.2mmとなる。 惑星はもちろんのこと、銀河、球状星団、惑星状星雲を視野一杯に拡大してみるのにちょうど良いアイピースと思って購入した。
2016年5月3日にマウナロアで使用する機会を得た。この夜はとんでもないシーイングで、なんと60cmドブで回折リングを見ることができた。 Ethos SX 4.7mmだけでも見えたが倍率が低く、EiC-16 を取り付けて800倍で観望した。 離角5.1秒角のカストルが綺麗に分離し、それぞれの輝星の周りに少なくとも4重の回折リングがはっきり見える。 SIPSを使用してるからだろう、光軸中心から離れた視野中心でも若干の乱れはあるものの回折リングは見え続けた。 主鏡、副鏡、SIPS、EiC-16、Ethos SX 4.7mm、これら全てがそれなりの精度を出していないとこうは見えないはずだ。
但し欠点が無いわけでもない。 見かけ視野が110度と広い代わりに、構成レンズ数が多いせいか、コントラスト、抜け、シャープネスといった性能がイマイチに感じる。 天文仲間から借りた XW 5mm と比較したところ、背景の「色」が明らかに違う。 NGC3242木星状星雲を見て比較したところ、Ethos SX 4.7mmは少しベールのかかったような乳白色の背景でイマイチすっきり見えない。 これに対してXW 5mmは背景が締まった濃いニュートラルグレーでコントラストが高い。 木星状星雲の中心星もよりシャープに結像し、その周りの淡いガスもコントラストよく見えて気持ちいい。 帰宅してすぐXW 5mmをポチしたのは言うまでもない。 ただ、気軽に見るなら間違いなく見かけ視野の広いEthos SX 4.7mm。
焦点距離 | 4.7 mm (4.7 mm) |
視野絞直径 | 8.94 mm |
見かけ視野 | 110度 |
アイレリーフ | 15 mm |
射出レンズ直径 | 26.8 mm |
重量 | 492 g |
レンズ構成 | na |
生産国 | 台湾 |
註:カタログスペックより実測値を優先して記載。括弧内は視野絞直径から計算した値。