これまで検討してきた自作60cmドブソニアン計画の目的自作40cmドブソニアンから得られた経験概念設計詳細設計に基づいて、総合的に勘案し、自作60cmドブソニアン計画で製作する望遠鏡の仕様を決定しました。 最後は「エイヤ」で決めるしかありません。(誰も決めてくれません。)

自作60cmドブソニアンの完成後、3年程度運用し、仕様が満たされているかどうか、最終的な検証を行う予定です。(2016年4月20日)

(なお本当であれば仕様は製作前に決定して変更しないものだと思いますが、製作後に多くの不具合が見つかり、仕様を変更した方が良いことがわかったたため、仕様も随時更新しています。)

計画の達成度

自作60cmドブソニアン計画の達成度を定量的に評価するため、以下の2項目を計画の達成度の評価基準として設定します。 大口径の望遠鏡によって観望・スケッチを行うモチベーションを上げ、継続して新しい経験が得られることを定量的に評価することを意図しています。

計画の達成度
評価基準要求仕様実測結果判定
観望回数年間10回以上観望回数を数えていないが仕様は達成したと思われるA
スケッチ枚数年間15枚以上10.5枚/年B

判定基準 S: 期待以上、A: 概ね期待通り、B: 仕様を満たさないが受容可能、C: 仕様を満たさない

スケッチ枚数の推移
スケッチ枚数の推移

主鏡

詳細設計で得られた見知と製作上の都合を総合して、自作60cmドブソニアン計画の主鏡として以下の仕様を設定します。

主鏡の仕様
検討項目要求仕様製作仕様実測結果判定
物理口径出来るだけ大きく24.0" +/- 0.020"
( 609.6mm +/- 0.5mm)
610mm +/- 0.5mmA
光学口径出来るだけ物理口径に近く(指定無し)605mm +/- 0.5mm
測定:2016-09-17
A
厚さ出来るだけ薄く1.5" +/- 0.1"
(38.1mm +/- 2.5mm)
37.9mm +/- 0.1mmA
焦点距離出来るだけ短く79.2" +/- 1.0"
(2011.68mm +/- 25.4mm)
2024mm +/- 1mm
測定:2016-09-17
A
F値パラコア2使用可能なF3以上3.3 +/- 0.053.345A
鏡面精度光学系全体でレイリー・リミットを満たす副鏡と誤差配分してPV=31nm以下 (λ/16以下)PV=58.2nm(λ/8.6)
測定:2016-09-17
ただしPV=295nm (0.6λ) の非点収差あり
C
波面精度光学系全体でレイリー・リミットを満たす副鏡と誤差配分してPV=63nm以下 (λ/8以下)PV=116.4nm(λ/4.3)
測定:2016-09-17
ただしPV=590nm (1.2λ) の非点収差あり
C
鏡材出来るだけ低膨張率Supremax温度順応に約2時間必要C*
重量出来るだけ軽く21.0kg +/- 1.4kg(未測定)
コーティングの種類出来るだけ反射率の高いものEnhanced AluminumZambuto Semi-Enhanced Aluminum
C
反射率できるだけ高く波長500nmで96%以上波長500nmで89%
測定:2017-04-22
C
コーティングの耐久性出来るだけ高いものイオンアシスト蒸着抵抗加熱蒸着?C
再コーティング可能性再コーティングが可能な事(指定無し)(未検証)

判定基準 S: 期待以上、A: 概ね期待通り、B: 仕様を満たさないが受容可能、C: 再設計・再製作が必要(* は仕様そのものが適切ではなかった項目)

主鏡セル

詳細設計で得られた見知と製作上の都合を総合して、自作60cmドブソニアン計画の主鏡セルとして以下の仕様を設定します。

主鏡セルの仕様
検討項目要求仕様製作仕様実測結果判定
裏面支持方法出来るだけ鏡面誤差を発生させないPlopで計算した最適な位置で18点支持問題なしA
裏面支持のモーメント裏面支持機構でモーメントを発生させないバランスが合うようおもりを追加、モーメントをゼロにする問題なしA
裏面支持点の摩擦摩擦係数が小さい物質を支持点として使用テフロンの使用非点収差の原因?B
摩擦係数が小さく異方性の小さい物質を使用デルリンの使用変化なし、非点収差はここが原因ではないA
側面支持方法出来るだけ鏡面誤差を発生させない45度離れた円周上の4点を支持金属ベアリングの使用、非点収差の原因?C
ウレタンベアリングの使用、若干改善ありA
180度円周をワイヤーで支持変化なし、非点収差はここが原因ではないB
側面支持点の位置ズレ出来るだけ鏡面誤差を発生させない重心位置=裏面から 16.3mm +/-0.8mm で支持+2.0mm ~ +3.4mm
非点収差の原因?
C
-1.6mm ~ -0.2mm に調整 → 若干改善ありA
-0.5mm ~ +0.4mm に調整 → 特に変化なしA
セル全体の構造光軸調整によって鏡面誤差を発生させないゆりかご式(1インチ鉄角パイプ溶接)問題なしA
セル全体のたわみ光軸に影響を与えない1インチ鉄角パイプ溶接有意な光軸ズレなしA
脱落防止主鏡が脱落しないような構造を設置主鏡前方に4カ所設置する適切に機能するA
光軸調整接眼部を覗きながら主鏡光軸の調整が可能モーター2個を用いた光軸調整非常に快適、期待以上S
重量できるだけ軽く(未設定)ミラーボックス込みで17.4kgB

判定基準 S: 期待以上、A: 概ね期待通り、B: 仕様を満たさないが受容可能、C: 再設計・再製作が必要(* は仕様そのものが適切ではなかった項目)

副鏡

詳細設計で得られた見知と製作上の都合を総合して、自作60cmドブソニアン計画の副鏡として以下の仕様を設定します。

副鏡の仕様
検討項目要求仕様製作仕様実測結果判定
物理口径出来るだけ小さく短径 5.5" +/- 0.020"
(139.7mm +/- 0.5mm)
短径 140mmA
光学口径出来るだけ物理口径に近く(指定無し)短径 136mm(副鏡ホルダーによる制限)A
厚さ出来るだけ薄く1.0" +/- 0.1"
(25.4mm +/- 2.5mm)
26mmA
鏡面精度光学系全体でレイリー・リミットを満たす主鏡と誤差配分してPV=31nm以下 (λ/16以下)収差を検知できず
非点収差は主鏡に起因?
A
念のため Ostahowski にて再研磨、PV=25nm (λ/20)A
波面精度光学系全体でレイリー・リミットを満たす主鏡と誤差配分してPV=63nm以下 (λ/8以下)収差を検知できず
非点収差は主鏡に起因?
A
念のため Ostahowski にて再研磨、PV=50nm (λ/10)A
鏡材出来るだけ低膨張率Supremax温度順応や結露などの問題は特に生じないA
重量出来るだけ軽く1.23kg +/- 0.1kg1.2kgA
コーティングの種類出来るだけ反射率の高いものEnhanced AluminumZambuto Semi-Enhanced AluminumC
Ostahowski Multi-layer (4) Enhanced AluminumA
反射率できるだけ高く波長500nmで96%以上波長500nmで89%
測定:2017-03-19
C
波長500nmで95%
測定:2018-12-02
A
コーティングの耐久性出来るだけ高いものイオンアシスト蒸着Zambuto のコーティングは分光特性からおそらく抵抗加熱蒸着では?C
Ostahowsky は分光特性からイオンアシスト蒸着と思われるA
再コーティング可能性再コーティングが可能な事(指定無し)2018年11月 Ostahowski にて再コーティング → 問題なしA

判定基準 S: 期待以上、A: 概ね期待通り、B: 仕様を満たさないが受容可能、C: 再設計・再製作が必要(* は仕様そのものが適切ではなかった項目)

副鏡セル

詳細設計で得られた見知と製作上の都合を総合して、自作60cmドブソニアン計画の副鏡セルとして以下の仕様を設定します。

副鏡セルの仕様
検討項目要求仕様製作仕様実測結果判定
支持方法出来るだけ鏡面誤差を発生させないシリコンによる6点貼り付け厚すぎると光軸ズレが発生C
薄いと問題なしA
副鏡ホルダーによる鏡周支持問題なしA
セルの材質出来るだけ温度変化で副鏡に応力をかけない合板(熱膨張率が近い)を使用問題なしA
鉄製の側面ホルダーとポリエステル綿による裏面支持問題なしA
スパイダーたわみを発生させず出来るだけ薄くする1.3mm厚ステンレス問題なしA
脱落防止副鏡が脱落しないような安全策を講じる(設計に盛り込まず)脱落防止なしC*
副鏡ホルダーによる鏡周支持問題なしA
光軸調整容易に副鏡光軸の調整が可能モーター2個を用いた光軸調整スペースが足りず実現できずC*
3本の光軸ネジを六角レンチで回す若干手間だが妥協B
光軸調整の支点副鏡の物理中心が光軸調整でズレないできるだけ鏡面の近くに支点鏡面から xx mmで支点(特に問題なし)B*

判定基準 S: 期待以上、A: 概ね期待通り、B: 仕様を満たさないが受容可能、C: 再設計・再製作が必要(* は仕様そのものが適切ではなかった項目)

接眼部

トップケージ

トラス

詳細設計で得られた見知と製作上の都合を総合して、自作60cmドブソニアン計画のトラスとして以下の仕様を設定します。

トラスの仕様
検討項目要求仕様製作仕様実測結果判定
たわみ光軸ズレが発生しないトラスの支点を一致させる最大8mmの光軸ズレC*
直径1"、6本トラス
Aurora Precision 製の金具の使用最大1mmの光軸ズレB
直径1"、8本トラス
Aurora Precision 製の金具の使用最大 x mmの光軸ズレA
直径1.5"、8本トラス
剛性出来るだけ高剛性トラスの支点を一致させる固有振動数2.6HzC*
直径1"、6本トラス
トラス金具を高剛性にする固有振動数3HzC*
直径1"、6本トラス
Aurora Precision 製の金具の使用固有振動数5.1HzB
直径1"、8本トラス
Aurora Precision 製の金具の使用固有振動数6HzA
直径1.5"、8本トラス
組み立てやすさトラス本数を減らして組み立て時間を短縮6本6本トラスだとトップケージの取り付けが大変、逆に時間がかかるC*
8本とするA*
調整しやすさトップケージ位置をトラス棒の長さだけで調整スチュワートプラットフォームの原理を採用調整が逆に困難C*
Aurora Precision 製の金具を使用、調整は行わないA*

判定基準 S: 期待以上、A: 概ね期待通り、B: 仕様を満たさないが受容可能、C: 再設計・再製作が必要(* は仕様そのものが適切ではなかった項目)

軸受け

ロッカーボックス