Morpheus 6.5mm

Morpheus 6.5mm side view
Morpheus 6.5mm。 ゴム見口には Tele Vue Eyeguard Extender、2''アダプターは Howie Glatter Parallizer を使用。

自作60cmドブソニアン で焦点距離7mm前後のアイピースは倍率では約300倍、瞳径では約2mmとなり、私にとって最も気持ちよく観望やスケッチが行え、そのため使用頻度の高いアイピースとなる。 これまでにも Nikon NAV-7SWPentax XW7Tele Vue Delite 7mm を購入しては試し、少し焦点距離は違うけれど Tele Vue Delos 6mm も試してきた。 その結果これまでは Pentax XW7 を使ってきた。

そして今回ふと Baadar Planetarium の Morpheus(英語読み:モーフィアス、ラテン語読み:モルフェウス)が実は良いらしいといった噂を聞き、試してみることにした。

まず M42オリオン大星雲で比較してみた。 Pentax XW7 と比較して、すぐに Morpheus 6.5mm のほうが一回り星像が小さいことに気がついた。 ピントを追い込んでいくと星が本当に針で突いたようにシャープになる瞬間がある。 Pentax XW7 だとこの辺りが少し曖昧で、最後の追い込みのところでこれ以上はシャープにならない領域・範囲があって、これまではこれがシーイングで限界だと思っていたが、実はそうではなかった。

次に球状星団の M79 で比較してみた。 Pentax XW7 と Morpheus 6.5mm とで見え味にほとんど差は無いけれど Morpheus 6.5mm には星々の粒に芯があって球状星団の中の星の並びがより際立って見えた。 Morpheus 6.5mm のほうが少し倍率が高いためその分だけ大きく見えて背景も暗くなったことが要因かもしれない。 ただ、どちらかと言われると Morpheus 6.5mm と思った。

その次に比較したのは M51子持ち銀河。 正直これには驚いた。 星像は例によって Pentax XW7 より一回り小さくシャープに見えるのだが、銀河の淡い腕も同じように細く、細かい模様が見えた。 M51は 自作60cmドブ で見ると腕のかなり詳細まで見ることができて、これまでも何度も何度も見てきたけど、今回見えたのは過去最高、非常に細かい構造まで見えてきた。 第一印象は腕が細い!腕はフィラメントがもつれるような構造が複雑に見えて、さらに腕と腕の間の暗い領域がストンと黒く抜けて、銀河が本当に浮かび上がってくるような感じの見え方。 不思議と一度この像を見た後だと Pentax XW7 でも同じように見えてきたのだけど XW7 だとピントがイマイチというか、最後の最後で曖昧なところが残って、今ひとつシャープさに欠けた。 Morpheus 6.5mm はまさに「解像度が高い」といった見え方で、さらにもう一段階ピントが追い込めて、さらにはっきり見ることができた。

他にもNGC2903、M66、M82と比較してみたがいずれも Morpheus 6.5mm のほうが腕の流れや暗黒帯との境界がはっきりしていて、限界まで解像している印象に感じた。

期待以上の性能に驚いて帰宅後に メーカーサイト を見てみたところ、 On-axis sharpness and contrast rivals the Zeiss Abbe II eyepieces, ... (軸上のシャープネスとコントラストは Zeiss Abbe II と同等)とはっきり書いてあって、(Zeiss Abbe Ortho II で見たことはないのでどれだけすごいのか判らないのですが・・・)メーカーとしてもシャープさやコントラストにはかなり自信があるんだなと思った。

周辺像や歪曲は中心のシャープさに気をとられていてほとんど記憶に残っていない。 が、スケッチで気にならなかったことから Pentax XW7 と同程度なのだろう。

というわけで 7mmのアイピースは Morpheus 6.5mm に置き換わった。

一点疑問に思ったというか、不思議に感じたのは視野端の見え方。 日中に Morpheus 6.5mm を覗き込むと視野環がはっきり見えず、まさに安物のアイピースのような見え方。 視野端に向けてフェードアウトするような、そんな感じ。 このためなのか夜星を見るとなぜか視野中心からの距離(角度)が掴みにくく感じた。 星像は周辺でも悪くないし、見かけ視野100度のアイピースと比べると明らかに視野が狭いのは分かるのだけれど、なぜか視野端が良く分からかった。 天体スケッチ では視野中心と視野端を基準に、その半分とか1/4とかと位置を見積もって星をスケッチ用紙にプロットしていくのだけれど、これがなぜかやりにくかった。 視野周辺に視線を向けると確かに視野の端はあるんだけど、視野中心付近を見ているとどこが端だかわからない。 ただし1枚目のスケッチでこれを強く感じたが2枚目のスケッチではあまりそれは感じなかった。 慣れの問題かもしれないが、なにか没入感を得られるための意図した設計なのかもしれない。

なお付属のゴム見口では少し背が高すぎて良い位置に眼を置きにくく感じたのでテレビューのアイガードエクステンダーに交換した。 1 mm程度背が低くなり、私にはこの方が覗きやすいと感じた。

Morpheus 6.5mmの仕様
焦点距離6.5 mm (6.7 mm)
視野絞直径8.75 mm
見かけ視野76度
アイレリーフ18.5 mm
射出レンズ直径35.5 mm
絞り環位置 -2.0 mm
重量473 g/340 g
レンズ構成5群8枚
生産国n/a

註:重量は Howie Glatter Parallizer/ 31.7mmスリーブ使用時の順に記載。 絞り環位置は Howie Glatter Parallizer 使用時の値。 カタログスペックより実測値を優先して記載。 括弧内は視野絞直径から計算した値。

参考写真

Morpheus 6.5mm top view
射出レンズ側から見たMorpheus 6.5mm。 ゴム見口、M43延長リングは外して撮影。 写真では判りにくいが最終レンズは平面と思われる。 直径35.5mmと大きい。
Morpheus 6.5mm bottom view
対物レンズ側から見たMorpheus 6.5mm。

履歴

Morpheus 4.5mm

Morpheus 4.5mm side view
Morpheus 4.5mm。 ゴム見口には Tele Vue Eyeguard Extender、2''アダプターは Howie Glatter Parallizer を使用。

Morpheus 6.5mm の星像が非常に良く、とても気に入ったので Morpheus 4.5mm も購入することにした。 自作60cmドブソニアン では焦点距離4.5mmは490倍、瞳径1.2mmとなり、銀河の観望に最適なアイピースとなる。

2夜ほど使ってみたところ、Pentax XW5 と同じか僅かに Morpheus 4.5mm の方が良いかといった星像で、期待していたほどの差は無かった。 ただし Morpheus 4.5mm で見ると望遠鏡の光軸の調整不足(コマ収差)や主鏡の温度順応不足(球面収差)が不思議とよく見えた。 望遠鏡側の収差に寛容ではなく、ありのままを見せているように感じた。 ピント位置が合う範囲も狭く、この位置では僅かに星像は XW5 より小さく感じた。 背景は Morpheus 4.5mm の方が少し暗いように感じた。 ただ、これは焦点距離の違いから来るものだと思われる。

視野は Morpheus 4.5mm の方が広いのでこちらの方が広々としていて使いやすい。 ただしゴム見口に額を当てて見るといった Pnetax XW5 の使い方のほうが、頭が安定して覗けて良いと思った。 よって総合性能としては同じぐらいか。 もう何回か観望に使って比較してみたいと思う。

Morpheus 4.5mmの仕様
焦点距離4.5 mm (4.6 mm)
視野絞直径6.1 mm
見かけ視野76度
アイレリーフ17.5 mm
射出レンズ直径35.5 mm
絞り環位置 -2.0 mm
重量500 g/368 g
レンズ構成5群8枚
生産国n/a

註:重量は Howie Glatter Parallizer/ 31.7mmスリーブ使用時の順に記載。 絞り環位置は Howie Glatter Parallizer 使用時の値。 カタログスペックより実測値を優先して記載。 括弧内は視野絞直径から計算した値。

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