Morpheus 9mm

Morpheus 9mm side view
Morpheus 9mm。 ゴム見口には Tele Vue Eyeguard Extender、2''アダプターは Howie Glatter Parallizer を使用。

2021年2月に Morpheus 6.5mm を購入して星を見たところ、星像が非常にシャープでとても気に入った。 そこで同じシリーズの Morpheus 9mm も購入することにした。 3月頃から欲しいと思っていたものの米国在庫が無く、5月にバックオーダーで注文、7月末にようやく手に入れることが出来た。

焦点距離9mmのアイピースは 自作60cmドブソニアン では250倍、瞳径2.4mm、見かけ視野0.31度となって NGC4565M81 といった大きな銀河の観望に最適なアイピースとなる。

なおアイレリーフが21mmと非常に長く、裸眼では付属のゴム見口・延長筒を使っても周辺部がブラックアウトしてしまった。 そこでテレビューのアイガードエクステンダーのリング部のみを使いゴム見口の高さが3.4mm程度高くなるよう嵩上げした。 これでぴったりとゴム見口に額を当てたときに快適に全視野見えるようになった。

射出レンズの直径は36.4mmありMorpheus 6.5mm、Morpheus 4.5mm の35.4mmと異なる。 単に生産ロットの違いかもしれないが、レンズを覗き込んだときの見え方も Morpheus 9mm のみ異なるためレンズの設計が違うのだと思われる。

2,3夜使ってみた印象は Pentax XW10 と星像はほぼ同じような見え方。 これは60cmドブではどちらも200数十倍ぐらいと倍率が低いためで星像はどちらも私の眼の限界よりも小さく結像するためと思われる。 ただし不思議と銀河のような対象を Morpheus 9mm で見ると星が手前に、銀河が奥に見えて不思議な立体感がある。 見え方としてはほとんど甲乙付けがたいところだが、この星が立体的に見えるような感じがすることから、Morpheus のほうが面白いかなと思わせる。 というわけでこの倍率レンジのアイピースは Morpheus 9mm に置き換えることにした。

Morpheus 9mmの仕様
焦点距離9 mm (9.0 mm)
視野絞直径12.1 mm
見かけ視野76度
アイレリーフ21 mm
射出レンズ直径36.4 mm
絞り環位置 -2.0 mm
重量467 g/337 g
レンズ構成5群8枚
生産国n/a

註:重量は Howie Glatter Parallizer/ 31.7mmスリーブ使用時の順に記載。 絞り環位置は Howie Glatter Parallizer 使用時の値。 カタログスペックより実測値を優先して記載。 括弧内は視野絞直径から計算した値。

履歴

Morpheus 6.5mm

Morpheus 6.5mm side view
Morpheus 6.5mm。 ゴム見口には Tele Vue Eyeguard Extender、2''アダプターは Howie Glatter Parallizer を使用。

自作60cmドブソニアン で焦点距離7mm前後のアイピースは倍率では約300倍、瞳径では約2mmとなり、私にとって最も気持ちよく観望やスケッチが行え、そのため使用頻度の高いアイピースとなる。 これまでにも Nikon NAV-7SWPentax XW7Tele Vue Delite 7mm を購入しては試し、少し焦点距離は違うけれど Tele Vue Delos 6mm も試してきた。 その結果2016年5月以降は Pentax XW7 を使ってきた。

ここでふと Baadar Planetarium の Morpheus(英語読み:モーフィアス、ラテン語読み:モルフェウス)が実は良いらしいといった記事をウェブ上で見つけ、試してみることにした。

まず M42オリオン大星雲で比較してみた。 Pentax XW7 と比較してすぐに Morpheus 6.5mm のほうが一回り星像が小さいことに気がついた。 ピントを追い込んでいくと星が本当に針で突いたようにシャープになる瞬間がある。 Pentax XW7 だとこの辺りが少し曖昧で最後の追い込みのところでこれ以上はシャープにならない領域・範囲があって、これまではこれがシーイングで限界だと思っていたが実はそうではなかったようだ。

次に球状星団の M79 で比較してみた。 Pentax XW7 と Morpheus 6.5mm とで見え味にほとんど差は無いけれど Morpheus 6.5mm には星々の粒に芯があって球状星団の中の星の並びがより際立って見えた。 Morpheus 6.5mm のほうが少し倍率が高いためその分だけ大きく見えて背景も暗くなったことが要因かもしれない。 ただどちらかを選べと言われると Morpheus 6.5mm と思った。

その次に比較したのは M51子持ち銀河。 正直これには驚いた。 星像は例によって Pentax XW7 より一回り小さくシャープに見えるのだが、銀河の淡い腕も同じように細く細かい模様が見えた。 M51は 自作60cmドブ で見ると腕のかなり詳細まで見ることができて、これまでも何度も何度も見てきたけど今回見えたのは過去最高、非常に細かい構造まで見えてきた。 第一印象は腕が細い!腕はフィラメントがもつれるような構造が複雑に見えて、さらに腕と腕の間の暗い領域がストンと黒く抜けて、銀河が本当に浮かび上がってくるような感じの見え方。 一度この像を見た後だと不思議と Pentax XW7 でも同じように見えてきたのだけど XW7 だとピントがイマイチというか、最後の最後で曖昧なところが残って今ひとつシャープさに欠けた。 Morpheus 6.5mm はまさに「解像度が高い」といった見え方でさらにもう一段階ピントが追い込めて、さらにはっきり見ることができたと思う。

他にもNGC2903、M66、M82と比較してみたがいずれも Morpheus 6.5mm のほうが腕の流れや暗黒帯との境界がはっきりしていて限界まで「解像」しているように感じた。

期待以上の性能に驚いて帰宅後に メーカーサイト を見てみたところ、 On-axis sharpness and contrast rivals the Zeiss Abbe II eyepieces, ... (軸上のシャープネスとコントラストは Zeiss Abbe II と同等)とはっきり書いてあって、(Zeiss Abbe Ortho II で見たことがないのでどれだけすごいのか判らないですが・・・)メーカーとしてもシャープさやコントラストにはかなり自信があるんだなと思った。 確かに納得のいく説明と思った。

周辺像や歪曲は中心のシャープさに気をとられていてほとんど記憶に残っていない。 しかしスケッチで気にならなかったことから Pentax XW7 と同程度なのだろう。

というわけで 7mmのアイピースは Morpheus 6.5mm に置き換わった。

一点疑問に思ったというか、不思議に感じたのは視野端の見え方。 日中に Morpheus 6.5mm を覗き込むと視野環がはっきり見えず、まさに安物のアイピースのような見え方。 視野端に向けてフェードアウトするような、そんな感じ。 このためなのか夜星を見るとなぜか視野中心からの距離(角度)が掴みにくく感じた。 星像は周辺でも悪くないし、見かけ視野100度のアイピースと比べると明らかに視野が狭いのは分かるのだけれど、なぜか視野端が良く分からかった。 天体スケッチ では視野中心と視野端を基準に、その半分とか1/4とかと位置を見積もって星をスケッチ用紙にプロットしていくのだけれど、これがなかなかやりにくかった。 視野周辺に視線を向けると確かに視野の端はあるけれど視野中心付近を見ているとどこが端だかわからなくなる。 ただし1枚目のスケッチでこれを強く感じたが2枚目のスケッチではあまりそれは感じなかった。 慣れの問題かもしれないが、なにか没入感を得られるための意図した設計なのかもしれない。

なお付属のゴム見口では少し背が高すぎて良い位置に眼を置きにくく感じたのでテレビューのアイガードエクステンダーに交換した。 1 mm程度背が低くなり、私にはこの方が覗きやすいと感じた。

Morpheus 6.5mmの仕様
焦点距離6.5 mm (6.7 mm)
視野絞直径8.75 mm
見かけ視野76度
アイレリーフ18.5 mm
射出レンズ直径35.5 mm
絞り環位置 -2.0 mm
重量473 g/340 g
レンズ構成5群8枚
生産国n/a

註:重量は Howie Glatter Parallizer/ 31.7mmスリーブ使用時の順に記載。 絞り環位置は Howie Glatter Parallizer 使用時の値。 カタログスペックより実測値を優先して記載。 括弧内は視野絞直径から計算した値。

参考写真

Morpheus 6.5mm top view
射出レンズ側から見たMorpheus 6.5mm。 ゴム見口、M43延長リングは外して撮影。 写真では判りにくいが最終レンズは平面と思われる。 直径35.5mmと大きい。
Morpheus 6.5mm bottom view
対物レンズ側から見たMorpheus 6.5mm。

履歴

Morpheus 4.5mm

Morpheus 4.5mm side view
Morpheus 4.5mm。 ゴム見口には Tele Vue Eyeguard Extender、2''アダプターは Howie Glatter Parallizer を使用。

Morpheus 6.5mm の星像が非常に良く、とても気に入ったので Morpheus 4.5mm も購入することにした。 自作60cmドブソニアン では焦点距離4.5mmは490倍、瞳径1.2mmとなり、銀河の観望に最適なアイピースとなる。

2夜ほど使ってみたところ、Pentax XW5 と同等か、僅かに Morpheus 4.5mm の方が良いかといった星像で、期待していたほどの差は無かった。 ただし Morpheus 4.5mm で見ると望遠鏡の光軸の調整不足(コマ収差)や主鏡の温度順応不足(球面収差)が不思議とよく見えた。 望遠鏡側の収差に寛容ではなく、ありのままを見せているように感じた。 ピント位置が合う範囲も狭く、焦点位置では確かに僅かに星像は XW5 より小さく感じた。 背景は Morpheus 4.5mm の方が少し暗いように感じたが、これは焦点距離の違いから来るものと思われる。

その後もさらに3夜ほど使ってみたが、視野は Morpheus 4.5mm の方が広いのでこちらの方が広々としていて使いやすいと感じた。 一方でゴム見口に額を当てて見るといった Pnetax XW5 の使い方のほうが頭が安定して良いとも思った。 また自作60cmドブソニアンだと瞳径が1.2mmとなって Pentax XW5 の1.3mmと比べて僅かに小さく、私の眼にとっては少し瞳径が小さすぎるようで Pentax XW5 のほうが快適に観望できると感じた。

なお付属のゴム見口では少し背が高すぎて良い位置に眼を置きにくく感じたのでテレビューのアイガードエクステンダーに交換した。 1 mm程度背が低くなり、私にはこの方が覗きやすいと感じた。

Morpheus 4.5mmの仕様
焦点距離4.5 mm (4.6 mm)
視野絞直径6.1 mm
見かけ視野76度
アイレリーフ17.5 mm
射出レンズ直径35.4 mm
絞り環位置 -2.0 mm
重量500 g/368 g
レンズ構成5群8枚
生産国n/a

註:重量は Howie Glatter Parallizer/ 31.7mmスリーブ使用時の順に記載。 絞り環位置は Howie Glatter Parallizer 使用時の値。 カタログスペックより実測値を優先して記載。 括弧内は視野絞直径から計算した値。

履歴