自作15cmドブソニアン で使用する低倍率用のアイピースとして購入。 Ethos 21mm と焦点距離が重複するものの、15cmドブではXW20のほうが軽量で扱いやすいと考え、購入した。 これからじっくり性能を確かめてみたい。
焦点距離 | 20 mm (19.6 mm) |
視野絞直径 | 24.0 mm |
見かけ視野 | 70度 |
アイレリーフ | 20 mm |
射出レンズ直径 | 34.0 mm |
絞り環位置 | -?.? mm |
重量 | 485 g/353 g |
レンズ構成 | 4群6枚 |
生産国 | 日本 |
註:重量は Howie Glatter Parallizer/ 31.7mmスリーブ使用時の順に記載。 絞り環位置は Howie Glatter Parallizer 使用時の値。 カタログスペックより実測値を優先して記載。 括弧内は視野絞直径から計算した値。
私にとって焦点距離10 mm前後のアイピースは 自作40cmドブソニアン で約200倍が得られ、銀河や球状星団を見るのにもっともゴキゲンな倍率が得られるアイピースだ。 そのため出来るだけ良いもので観望・スケッチしたいと考え、Pentax XW10 の購入に至った。 焦点距離10 mmのアイピースは他にも NAV-12.5HW + EiC-H10 と NAV-10SW も所有している(いた)ため、2015年10月にこれらとの比較を行った。 自宅で行ったため空は明るいが、シーイングはかなり良く、また光軸も時間をかけて完璧に合わておいた。(なお自作40cmドブの接眼部には SIPS が組み込まれている。)
まず C30 (NGC7331) で比較を行った。 NAV-12.5HW + EiC-H10 と NAV-10SW の見え方は極めて似ていて、いずれもシャープに結像する。 ここで NGC7331 がより良く見えることから、 NAV-12.5HW + EiC-H10 と NAV-10SW とでは NAV-10SW の方が透明度が高いように感じた。
次に Pentax XW10 と NAV-10SW の比較を行った。 Pentax XW10 の星像の結像具合は NAV-10SW とほぼ同じ。 わずかにフォーカサーを微調整するとピントの合う範囲は Pentax XW10 の方が狭いことに気がつくが、オンフォーカスの星像に関しては全く区別がつかない。 どちらも完全に結像していて、見ていて気持ちがいい。 透過率は Pentax XW10 の方が NAV-10SW よりが高いようで、NGC7331 がより濃く見える。 NGC7331 周辺の伴銀河の存在は XW10 のほうがよりはっきりと判る。 これも透過率の高さから来るのだろう。
ここで ステファンの五つ子 (HGC92) で Pentax XW10 と NAV-10SW の比較を行った。 Pentax XW10 ではいとも簡単に5つの銀河が検出できた。 しかし NAV-10SW では若干曖昧なところが残り、全体的にコントラストが低く、XW10 よりも注意して見ないとステファンの五つ子を見ることが出来なかった。 これもやはり透過率の違いなのかもしれない。 星像のシャープさは今回もほぼ同等で甲乙つけられない。 ただし見えるか見えないかギリギリの非常に暗い天体の検出では Pentax XW10 のほうが良いように感じた。
アイピースの収差は、視野周辺ではメリディオナル方向にほんの僅かに星像が伸び、サジタル方向には伸びないといった非点収差が見られた。 これはメーカーサイト smc PENTAX XWシリーズ / 収差図から見る性能 の通りの振る舞いで、とても興味深い。
焦点距離 | 10 mm (10.1 mm) |
視野絞直径 | 12.4 mm |
見かけ視野 | 70度 |
アイレリーフ | 20 mm |
射出レンズ直径 | 34.0 mm |
絞り環位置 | -5.4 mm |
重量 | 524 g/394 g |
レンズ構成 | 6群7枚 |
生産国 | 日本 |
註:重量は Howie Glatter Parallizer/ 31.7mmスリーブ使用時の順に記載。 絞り環位置は Howie Glatter Parallizer 使用時の値。 カタログスペックより実測値を優先して記載。 括弧内は視野絞直径から計算した値。
2014年にハワイ島に転居してからいつも良シーイングに恵まれ観望できるようになった。 そのためこれまで200倍前後が限界と考えていた倍率はもっと高くても大丈夫だと思うようになった。 そこで焦点距離7 mm前後のアイピースをと思い、NAV-7SW を購入してみたが、いまいちヌケが悪く感じ、またシャープさも欠けているように感じていた。 そこで焦点距離がダブるのは承知でPentax XW7を購入することにした。
NAV-7SWと比較するとPentax XW7のほうが明らかに背景が暗く、コントラストが高い。 星像は Pentax XW10 と同等で、倍率だけが高くなっているような印象に感じた。 よって一度使っただけで7 mmのアイピースはこのPentax XW7に入れ替わってしまった。 自作60cmドブソニアン では320倍となり、銀河を見るのにちょうど良い倍率となる。 Pentax XW5 と並んで最も使用頻度の高いアイピースの一つとなった。 天体スケッチ にも無くてはならないアイピースといえる。
焦点距離 | 7 mm (7.2 mm) |
視野絞直径 | 8.8 mm |
見かけ視野 | 70度 |
アイレリーフ | 20 mm |
射出レンズ直径 | 34.0 mm |
絞り環位置 | -5.5 mm |
重量 | 519 g/390 g |
レンズ構成 | 6群8枚 |
生産国 | 日本 |
註:重量は Howie Glatter Parallizer/ 31.7mmスリーブ使用時の順に記載。 絞り環位置は Howie Glatter Parallizer 使用時の値。 カタログスペックより実測値を優先して記載。 括弧内は視野絞直径から計算した値。
背景が暗くてコントラストが高いお気に入りのアイピースでしたが Baadar Morpheus 6.5mm を試したところ Morpheus 6.5mm のほうが一回り星像が小さく星が本当に針で突いたようにシャープに見え、完全に XW7 を上回っていると感じ、その結果 XW7 は手放すことにしました。
2016年5月にK Nebula氏がハワイ島に遠征で来られた際、自作60cmドブソニアン で C59 木星状星雲 (NGC3242) を見た。 このとき用いたアイピースは直前に購入した Ethos SX 4.7mm。倍率は約500倍。 しかしなんだか星像がイマイチで、微妙にピントの山が分からず、シャープに結像せず、またバックグラウンドも明るく感じ、透明感もあまり良くなく、面白くない。 そこでK Nebula氏がPentax XW5を持ってきたということなので、借してもらって初めて使用した。
Pentax XW5では倍率は約460倍と若干下がるが Ethos SX 4.7mm とほぼ同じ倍率・瞳径となるため適当な比較と言えるだろう。 比較して判ったことはPentax XW5のほうが星像、コントラスト、バックグラウンド、そのいずれもが明らかに勝ってるということだった。 ドブだと追尾が難しいため500倍近くだと「視野の広さ」が重要になると考えたが、幸い自作60cmドブでは500倍はまだまだ十分に追尾可能な領域だった。 そのため視野の広さよりも「見える」「見えない」の違いに必然的に意識がいってしまったようだ。 感覚的にはPentax XW5のほうが「密度が濃い」見え方に感じた。 帰宅してすぐにPentax XW5をポチしたのは言うまでもない。
届いた後は Pentax XW7 と並び最も使用頻度の高いアイピースとなった。 自作60cmドブソニアンでは倍率は460倍。 この倍率でも星はシャープに結像し、瞳径は1.3 mmと小さくなるが高倍率で拡大して見ているため銀河などは細かい構造が見えてくる。 天体スケッチ もこの倍率で何ら問題なくとることができる。 むしろ細かい構造を見るためにはこの倍率が必要といえる。 IC1296 は460倍で見えた。 320倍では小さすぎてよくわからず680倍だと淡すぎてよく分からなかった。 このアイピースも私の観望・スケッチに無くてはならないアイピースの一つだ。
焦点距離 | 5 mm (5.1 mm) |
視野絞直径 | 6.2 mm |
見かけ視野 | 70度 |
アイレリーフ | 20 mm |
射出レンズ直径 | 34.0 mm |
絞り環位置 | -5.4 mm |
重量 | 540 g/411 g |
レンズ構成 | 5群8枚 |
生産国 | 日本 |
註:重量は Howie Glatter Parallizer/ 31.7mmスリーブ使用時の順に記載。 絞り環位置は Howie Glatter Parallizer 使用時の値。 カタログスペックより実測値を優先して記載。 括弧内は視野絞直径から計算した値。
自作60cmドブソニアン では倍率は680倍となるため使用頻度はあまり高くないだろうと予想したものの、シーイングの検証や惑星の観望に欲しいと思い、購入した。 何より Pentax XW5 のコントラストが良かったため、同じシリーズの 3.5 mm もきっと良いだろうと思って購入を決めた。
実際に使ってみたところ680倍でもなんら問題なく使え、視野が狭いながらも追尾は可能でスケッチも問題なく行うことが出来ることが分かった。 惑星の観望やシーイングの検証だけでなく、星雲や星団、銀河の観望でもよく使うアイピースとなった。 星像についてはさすがにピントが少しでもずれると星がすぐボケてしまうが、ピントの山はよく判り、細かい淡い模様もよく分かる。 ただしPentax XW5と比べると倍率が高いからなのか、コントラストは低く感じる。
さすがに680倍では追尾が大変だが、特に惑星状星雲の観察でこの高い倍率が必要になる。 C6 キャッツアイ星雲 (NGC6543) では中心星が同心円状の濃いガスのなかにぽっかりと浮かぶ様子がはっきり見えた。 C55 土星状星雲 (NGC7009) も680倍で見ると中心星、楕円の明るいリング、真円の淡いハロ、そして「土星の輪」と複雑な構造が見えてきた。 他にも惑星状星雲は小さいものが多く、思い切って倍率を上げないと構造がよくわからい。 いけると思ったらとにかく倍率を上げて見る。 高倍率でないと見えない世界がある。 そう確かに気づかせてくれるアイピースだ。
焦点距離 | 3. 5mm (3.4 mm) |
視野絞直径 | 4.3 mm |
見かけ視野 | 70度 |
アイレリーフ | 20 mm |
射出レンズ直径 | 34.0 mm |
絞り環位置 | -5.6 mm |
重量 | 552 g/422 g |
レンズ構成 | 5群8枚 |
生産国 | 日本 |
註:重量は Howie Glatter Parallizer/ 31.7mmスリーブ使用時の順に記載。 絞り環位置は Howie Glatter Parallizer 使用時の値。 カタログスペックより実測値を優先して記載。 括弧内は視野絞直径から計算した値。
Pentax XW3.5 で得られる680倍に味を占め、 大気の安定した夜にはさらにもう少し倍率が欲しいと感じるようになってきた。 そこで評判の良い Carl Zeiss Abbe Barlow 2x を Pentax XW5 と組み合わせて920倍で使用することを考えた。 いちいちアイピースを抜き差しするのが面倒に感じたのでPentax XW5は新たにもう1本購入した。
さすがにこの組み合わせの920倍は(超)高倍率で、あっという間に天体が視野から出て行ってしまう。 しかし天体を導入して追尾ながら観望やスケッチができないかと言われればそんなことはなく、特に問題なく行える。 星像についてもアルマク(γ And)やカストル(α Gem)を見た限り、大気の状態や主鏡や副鏡の収差に起因して高倍率なりにピントははっきりと決まらず甘くなるものの、Pentax XW3.5 と同じような見え方で倍率なりにシャープで十分に使えると感じた。 うっすらとハロがかかったような、コントラストが低くなっているようにも感じたが、星像自体は悪くなっている印象はない。 この曖昧な感じは、おそらくもっと口径(光量)があれば解決すると思われる。
ここぞと言った時に920倍という倍率が欲しくなる。 2019年1月に C22 青い雪だるま (NGC7662) を920倍でスケッチしたが、この倍率で見るのが最も迫力があって、細部が見え、そしてなによりもこの倍率で見るのが最も美しいと感じた。
焦点距離 | 2. 5 mm (2.5 mm) |
視野絞直径 | 3.1 mm (推定値) |
見かけ視野 | 70度 |
アイレリーフ | 20 mm |
射出レンズ直径 | 34.0 mm |
絞り環位置 | -3.5 mm |
重量 | 664 g/- g |
レンズ構成 | 6群10枚 |
生産国 | 日本 (Pentax XW5) ドイツ (Abbe Barlow) |
註:重量は Howie Glatter Parallizer/ 31.7mmスリーブ使用時の順に記載。 絞り環位置は Howie Glatter Parallizer 使用時の値。 カタログスペックより実測値を優先して記載。 括弧内は視野絞直径から計算した値。