2022年4月頃から自作76cmドブソニアンの検討をはじめました。 2025年夏の完成を目標に、2023年6月から具体的に計画を進めていきます。
自作60cmドブソニアン を用いた観望や 天体スケッチ の経験から、銀河や星雲といった天体こそ、300倍以上の高倍率で観望することでより詳細が見えてきて非常に面白いことが分かりました。 口径60cmでは300~400倍といった高倍率でも射出瞳径は1.5~2.0mmで視野は暗くならず、快適に観望・スケッチが行えます。 私はすっかり大口径・高倍率の虜になってしまいました。
しかし一方で口径60cmの限界も見えてきました。 例えば M87のジェット はギリギリ見えたつもりですが本当にかすかで見えた確証が持てません。 しし座の渦巻き銀河 M95 は天体写真では美しいθの形をしていて眼視でもそれらしい広がりは分かりますがはっきりしません。 エリダヌス座の渦巻き銀河 NGC1300 はいつ見てもコントラストが悪く感じます。 へび座にある有名な HCG79 セイファートの六つ子 は暗くて淡くて口径60cmでもはっきり見えるのは3つだけです。
そこで口径をさらに大きくして口径60cmよりも高い倍率でより詳細を、また同じ倍率でも光量の多さからより高コントラストに、まだ見たことのない天体の世界を見てみたいと考えました。
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標題の通り、本計画のドブソニアンも本体は自作するつもりです。 自作60cmドブソニアンの経験から自作76cmドブソニアン計画では以下のような技術的な試み・工夫を設定して製作することにします。
これは絶対的な前提条件。 軽バンかミニバンで1人で観測地に持ち運んで、1人で簡単に組み立てて、容易に使えるように作ります。
車載の事を考えると車の条件としては荷室フロアの幅(ホイールハウス幅)と積載量が鍵になると思います。 今乗っているフォレスターやクロストレックのホイールハウス幅は106 cmで、口径 30 inch(762 mm)や 32 inch(813 mm)の場合だとけっこうギリギリです。 高さ方向のことも考えると車は軽バンかミニバンが必要になるでしょう。
また重量について、望遠鏡の全重量が口径の2.5乗に比例すると考えると 30 inch(762 mm)の場合は 79.9 kg x (30"/24")2.5 = 140 kg、32 inch(813 mm)の場合は 79.9 kg x (32"/24")2.5 = 164 kg 程度と見込まれます。 車の最大積載量からこちらは問題なさそうです。
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可搬性や運用にも関連するところですが、このサイズのドブソニアンとなると大きく重く嵩張ってしまいます。 そこでできるだけ小さく軽く作ることを目指します。 そのため便利な機能や将来拡張などへの対応は諦めます。 このドブソニアンは高倍率での星雲星団銀河の観望・天体スケッチに特化した設計とし、それ以外はバッサリ諦める(または性能を妥協する)ことで最低限の小型・軽量とします。 小型・軽量とすることで高剛性も目指します。
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今回から3次元CADを使って3Dモデルを作成しながら設計します。 合わせて有限要素法による解析を行い、どうすればシンプルで高剛性な構造とできるか机上で検証することにします。 三次元的な配置を前提に、小型・軽量を目指します。 また設計を吟味することで可能な限り使用する部品や無駄な購入を減らします。
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自作60cmドブソニアンの運用の経験から、主鏡は観望の後だけでなく普段の昼夜の寒暖差でも結露することが判明しました。 車に乗せっぱなしにしているだけでも、またはガレージのようなところに置いているだけでも、寒暖差によって主鏡は結露してしまうのです。 主鏡が結露すると表面の汚れが鏡面にこびりつき、反射率の低下や散乱光の増大が生じ、観望や天体スケッチが面白くなくなります。 そこでミラーボックスは密閉できる構造とし、使用しないときは乾燥剤で乾燥させて結露しないような構造にします。
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そもそもこのサイズの望遠鏡を個人所有すること自体、チャレンジングなことだと思います。 うまく製作できるかどうか分からないし、完成してもうまく使いこなせるかどうか分かりません。 使う環境(日本国内を想定)が口径を生かせるかどうかも分かりません。 完成したところでどれだけ使う時間があるかも分かりません。 健康上の心配も、そろそろ感じる歳になってきました。
色々と考えることがあるのは事実ですが、「今この瞬間がこの先の人生で最も若い」、悩んでもしょうがないので思いきって口径76cmのドブソニアンを自作することにしました。
失敗しても、何度でもやり直せば良いだけのことです。 私は次に進むことにしました。
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以下の順に具体的なパラメーターを決めました。 これらの基本パラメーターからそれぞれ詳細に設計を進めます。
主鏡の口径は 30 inch(762 mm)とする。
32 inch(813 mm)の分解能は 30 inch と比べ (32"/30")1 = 1.07 と約 7% 大きい。 また集光力は (32"/30")2 = 1.14 と約 14% 大きい。 僅か 2 inch(50.8 mm)の違いだが分解能や集光力の差は意外と大きい。 これまで20cm、40cm、60cmと口径アップしてきたので次は80cm = 32 inch(813 mm)とも思ったが、重量、コストからエイヤで 30 inch (762 mm) に決定。
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SIPS の使用を前提としてF値は F=3.0 とする。
銀河を高倍率で見るという観点だけならF値を小さくする必要はない。 しかしドブソニアンとしての使いやすさを考えれば焦点距離は短い方が良い。 コマ収差補正レンズ Paracorr Type 2 や SIPS の性能から F値は F=2.7 ぐらいが下限 のようだ。 しかしこのクラスの口径だと脚立は必須。 F値が小さいと副鏡は大きくなる。 F値が小さいと鏡面製作が難しくなりコストが増大。 また光軸調整も大変。 考えていても決まらない。 エイヤで F=3.0 に決定。
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30 inch (762 mm), F=3.0 として、現在所有するアイピースを用いた時の倍率、実視野、射出瞳径を計算してみます。 射出瞳径が1.5~2.0 mmとなる Morpheus 6.5mm の 400倍、XW5 の 520倍 ぐらいがちょうど良いスイートスポット的な倍率となるようです。 これは面白そう。
76cm F3 + SIPS | |||
---|---|---|---|
Ethos 21mm | 125倍 | 0.79度 | 6.1mm |
NAV-12.5HW + EiC-H10 (10mm) | 260倍 | 0.39度 | 2.9mm |
76cm F3 + SIPS | |||
Morpheus 12.5mm | 210倍 | 0.37度 | 3.7mm |
Morpheus 9mm | 290倍 | 0.26度 | 2.6mm |
Morpheus 6.5mm | 400倍 | 0.19度 | 1.9mm |
XW5 | 520倍 | 0.14度 | 1.5mm |
XW3.5 | 750倍 | 0.09度 | 1.0mm |
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主鏡の厚さは 2 inch(50.8mm)とする。
主鏡は薄ければ薄いほど軽く、材料費が安く、温度順応も早い。 しかし口径80cmクラスとなるとどのみち1人では持ち上げられる重量ではない。 主鏡が薄いと破損のリスクも増大。 主鏡セルの構造も凝った構造が求められる。 諸々のバランスを考えると、60cmドブと同じ口径 対 厚さ、つまり 609.6 mm : 40.4 mm = 15 : 1 ぐらいとなるような厚さが妥当なところと思う。 よって口径30 inch (762 mm) なので、厚さはエイヤで 2 inch (50.8 mm) に決定。
主鏡の仕様 | 鏡周の厚さ | 中央の厚さ | 重量 |
24" f/3.3 Fused Quartz | 40.4 mm | 27.7 mm | 22.1 kg |
30" f/3.0 Fused Quartz | 50.8 mm | 34.897 mm | 43.4 kg |
32" f/3.0 Fused Quartz | 54.0 mm | 37.0 mm | 52.4 kg |
ちなみに 32 inch(813 mm)の主鏡の重量は 30 inch(762 mm) と比べ (52.4kg/43.4kg) =1.21 と約 21%(9.0 kg)も大きい。 僅か 2 inch(50.8 mm)の違いだが重量はかなり違う。
ちなみに主鏡中心の厚みは34.897 mm。
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主鏡の鏡材は Fused Quartz(石英ガラス)とする。
これは経験から Fused Quartz の一択。 経験から Supremax 主鏡の場合は外気温の温度差が2度以下でないと星像への影響を感じるが Fused Qartz なら温度差が10度以下で星像への影響がほぼ無視できるため。 ここで Cruxis Telescope の Telescope Mirror Cooling Calculator で公開されている "MirrorCooring.exe" というソフトを使い計算すると、2 inch(50.8 mm)厚の Fused Quartz 主鏡の場合には約30分で温度順応が完了、一方で Supremax だと約120分必要となる。 ゴチャゴチャ書いたけど、経験からこれは Fused Quartz の一択。
主鏡厚さ | 50.8 mm |
鏡の初期温度 | 20 deg.C |
開始時の気温 | 5 deg.C |
終了時の気温 | 5 deg.C |
計算時間 | 360 min. |
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主鏡セルは27点支持とする。
Automated Mirror Cell Optimization で公開されている Plop という主鏡支持点の最適化ソフトを使い、主鏡の自重変形を計算しました。 自作60cmドブソニアンと同程度のたわみ量とするためには27点支持とする必要があるようなので、27点支持に決定。
主鏡直径 | 762.0 mm |
主鏡厚さ | 50.8 mm |
焦点距離 | 2286.0 mm |
副鏡直径 | 177.8 mm |
主鏡の仕様 | 鏡周の厚さ | 支持点数 | RMS | PV | 波面収差(PV) |
---|---|---|---|---|---|
24" f/3.3 Fused Quartz | 40.4 mm | 18 | 2.04 nm | 12.6 nm | λ/20 |
30" f/3.0 Fused Quartz | 50.8 mm | 18 | 3.28 nm | 20.8 nm | λ/12 |
27 | 2.16 nm | 10.8 nm | λ/23 |
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光路引き出し量は 480.0 mm とする。
副鏡短径を決定するためにはまず「光路引き出し量」を決定する必要があります。 主鏡の光路を全く遮らない最大の像高(画角)y の時の光路引き出し量 lS を考えると、主鏡口径(直径)を DA、フィルター枠の厚さを tF、Starlight Integrated Paracorr System (SIPS) の合焦位置を fS とすると以下の式で表すことができます。 これらから計算して 479.0 mm、キリの良い数字に丸めて光路引き出し量は 480.0 mm とします。
主鏡口径 DA | 762.0 mm |
像高(画角)y | 5.0 mm |
フィルター枠の厚さ tF | 5.0 mm |
SIPSの合焦位置 fS | 88.0 mm |
→必要な光路引き出し量 lS | 479.0 mm |
なおここからSIPSの先端と副鏡までの距離は 480 - 88 = 392 mmと計算されます。 またSIPSの位置調整範囲は 20~40 mm のため、SIPS先端と取り付け面の距離は 30 mm として接眼部の位置を設計します。
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副鏡短径は 7.0 inch(177.8 mm)とする。
ある像高(画角)y、光路引き出し量 lS の時に副鏡によるケラれが生じない副鏡の短径 DS は主鏡口径(直径) DA、主鏡焦点距離 fA から計算できます。 計算したところ必要な副鏡の短径は 172.6 mm = 6.8 inch となりました。 実際には余裕をもたせて少し大きめ、かつ市販されているサイズから選択することになるため 7.0 inch (177.8 mm)と決定。
像高(画角)y | 5.0 mm |
光路引き出し量 lS | 480.0 mm |
主鏡口径 DA | 762.0 mm |
主鏡焦点距離 fA | 2286.0 mm |
→ 必要な副鏡短径 DS | 172.6 mm (6.8 inch) |
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副鏡オフセット量は 20.1 mm(光軸からの平行移動量は 14.2 mm)とする。
副鏡オフセット量 dO は光路引き出し量 lS、xa、xb を用いて以下の式で書けます。 なお副鏡オフセット量 dO は副鏡面上での(幾何学的な)中心からの距離で、光軸から平行移動させる量としては dO を √2 で割って計算します。
光路引き出し量 lS | 480.0 mm |
xa | 580.48 mm |
xb | 407.91 mm |
→ 副鏡オフセット量 dO | 20.071 mm |
→ 光軸からの平行移動量 dO/√2 | 14.192 mm |
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トップケージの内径は 772 mm とする。
ここまで求めてきた数値を使って 30 inch(762 mm)f/3.0 の光路のケラれ具合を考察します。 ここでトップリングの内径 DT は主鏡口径(直径)DA + 2 x 像高 y = 772 mmとしました。 計算の結果主鏡が F=3.0 と明るいため像高 y'=9 mm(アイピースの視野絞り直径で 18 mm, Nikon NAV-12.5HW + EiC-H10 の視野絞直径17.9 mmに相当)付近からパラコア(Paracorr Type 2 = SIPS)やフィルターで強烈にケラれが生じることが分かりました。
よってトップケージの内径を大きくして光路がケラれないように作ったとしてもパラコアやフィルターで光路はケラれてしまい、意味がないことがわかりました。 一方でこの計算で用いたような、トップリング内径 DT = 772 mm という主鏡直径 30 inch (762 mm)より僅か10 mmしか直径が大きくなくても、トップケージによる光路のケラれはほとんど無視できることが分かりました。
よってトップケージの内径 DT = 772 mm で設計を進めることにします。 ギリギリの大きさですが、全体の小型軽量・高剛性のため、敢えてギリギリの設計とします。
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基本パラメーターが決まったのでまずは 3Dモデル を作って全体構想を練ることにしました。
主鏡口径 | 762 mm |
焦点距離 | 2286 mm |
副鏡短径 | 177.8 mm |
焦点引き出し量 | 480 mm |
副鏡オフセット | 光軸から 14.192 mm |
ケラれのない視野角 | φ10.0 mm(φ0.25°) |
接眼部の取り付け角度 | 22.5° |
EL軸直径 | φ1060 mm |
AZ軸直径 | φ772 mm |
EL軸から接眼部までの距離 | 1542 mm |
地面からEL軸までの高さ | 672 mm |
天頂時の接眼部の高さ | 2214 mm |
トップケージ重量 | 11.4 kg |
鏡筒重量 | 112 kg |
総重量 | 145 kg |
EL軸操作に必要な力 | 2.1 kgf |
AZ軸操作に必要な力 | 2.0 kgf @EL = 60° |
各パーツは 3Dモデル を参照ください。
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自作76cmドブソニアンでは以下の箇所にこだわってデザインしました。 アイデアが思いつき次第、随時更新していきます。
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シンプルな主鏡セル 可能な限りシンプルな形状・構造を採用することで部品数を減らし、剛性アップと軽量化を目指します。 |
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裏面サポートのバランス 望遠鏡を傾けたときに裏面サポートから余計な力が加わらないよう、裏面サポートの各々の小三角形にはカウンターウェイトを取り付け、支持点と重心を一致させます。 |
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4点支持の側面サポート 側面支持はウィッフルツリー構造とし、4点で支えることにします。 こうすることでAz回転させたときに主鏡の位置がズレず光軸が狂わないことを意図しています。 |
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ロッドエンドを用いた支持 主鏡セルとミラーボックスはロッドエンドを用いて荷重を支える構造とします。 望遠鏡を傾けたときは上端のこの1点で主鏡・主鏡セルの荷重を支えることになるためM16のロッドエンドを用います。 ロッドエンドを使うことで荷重を支えつつガタ無く滑らかに支えられるはずです。 |
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モーターを用いた主鏡の光軸調整 小型のDCモーターを用いて下端の左右2点の支持点をモーターで電動で調整できるようにします。 支M12のロッドエンドを用いることで荷重を支えながら滑らかに動くようにします。 なおモーター部は一つのユニットとしてセル取付け前にベルトの調整ができるようにします。 |
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最小サイズのミラーボックス 軽量化、高剛性化のため、ミラーボックスは最小サイズとします。 主鏡の物理直径762 mmのため、最低限の余裕を持たせて内寸を802 mm x 802 mm とします。 側面は高度軸と兼ねた構造とします。 高さも最低限の高さとします。 |
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密閉構造のミラーボックス ミラーボックス全体は合板で製作し、内側にGFRPを貼り付け、GFRPの層を作ることで密閉できる構造とします。 ネジ穴等はシリコンコーキング材で埋めます。 主鏡が結露しないよう、望遠鏡を使用しないときはミラーボックス内に乾燥剤を入れて密閉できるようにします。 |
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トップケージの収納 ミラーボックスにはトップケージを載せて収納できるようにします。 ミラーボックスのフタにトップケージを載せるための金具を取り付けます。 コンパクト・省スペースで望遠鏡を運搬・保管できるようにします。 |
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高度軸のオフセット 鏡筒の完全バランスのため高度軸は光軸から15 mmオフセットさせます。 この図でいうと接眼部やアイピース、ファインダーのモーメントが右側に、高度軸のモーメントが左側にかかります。 これらをうまく打ち消し合う位置に高度軸の回転中心を設定します。 |
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最小サイズのトップケージ 軽量化、高剛性化のため、また風による振動発生や望遠鏡の意図しない動きを防ぐため、トップケージは最小サイズとします。 ケラれのない視野をΦ10 mmとして内寸はΦ772 mmとします。 トップケージの高さも最低限の300 mmとします。 |
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全高をできるだけ抑えた副鏡セル 副鏡セルの全高をできるだけ低くするため副鏡の下部がセルに突き出るようなデザインとします。 |
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ロッドエンドを用いた支持 副鏡セルはロッドエンドを用いて荷重を支える構造とします。 副鏡にできるだけ近づけることで光軸調整による副鏡の位置ずれを最小にします。 ロッドエンドを用いることでガタ無く滑らかに加重を支えられるはずです。 |
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副鏡裏面ヒーター 副鏡裏面にはヒーターを仕込み、観望中に結露しないようにします。 |
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幅広のスパイダー 望遠鏡を傾けても副鏡の光軸がズレないよう、スパイダーの幅は最大限広くして120 mm幅とします。 |
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ファインダーの位置 ファインダーは脚立に載らなくても使用できるようトップケージから離れた位置に取り付けます。 |
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接眼部の取り付け角度 接眼部は水平(真横から覗くような向き)にはせず22.5度回転させて取り付けます。 自然な姿勢で望遠鏡を覗くことができ、疲労しにくくなることが期待されます。 |
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光路中の遮光板 高コントラストのため、また風による振動発生や望遠鏡の意図しない動きを防ぐため、副鏡と接眼部の間に遮光板を設置します。 回折光が心配ですが、ひとまずこの設計で進めます。 |
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副鏡の光軸調整 副鏡の光軸調整は手が届くためあえて手動で調整することでシンプル・軽量化を目指します。 一方で主鏡センターマークを照らすための照明は副鏡セルに組み込み着脱の手間を省きます。 |
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不等長のトラス棒 軽量化、高剛性化のため、トラス棒はEL軸(ミラーボックス)と兼ねた設計とし、各辺に必要最低限の長さ(つまり不等長)のトラス棒とします。 |
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最小サイズのロッカーボックス 軽量化、高剛性化のため、ミラーボックスは最小のサイズとします。 またできるだけ薄く作ることでアイピースまでの高さを抑えます。 |
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ベアリングを用いた高度軸 想定される鏡筒の重量は約112kgと重く、GFRP + テフロンでは摩擦が大きすぎて快適に操作できそうにありません。 そこで4個中2個のEL軸パッドをラジアルベアリングとして摩擦を小さくします。 これでEL軸操作に必要な力は約2.1kgfとなるはずです。 |
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ベアリングを用いた方位軸 想定される望遠鏡全体の重量は約138kgと重く、GFRP + テフロンでは摩擦が大きすぎて快適に操作できそうにありません。 そこで3個中2個のAz軸パッドをラジアルベアリングとして摩擦を小さくします。 これでEL=60度の時に操作に必要な力は約2.0kgfとなるはずです。 |
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Az回転用パッド Az軸を回転させたときにバックラッシュが発生しないよう、ミラーボックスとロッカーボックスがズレないよう押さえパッドを取り付けます。 |
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着脱式のキャスター 運搬時にはロッカーボックスの四隅にキャスターを取り付けます。 手押し車のような構造も考えましたが大きく重く不可でした。 キャスターは望遠鏡用のアリガタ・アリミゾを流用して工具レスに行えるようにします。 |
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キャスターの着脱 運搬用のキャスターの取り付け・取り外しは単管パイプ三脚に250kgのレバーホイストをかけて望遠鏡全体を吊り上げた状態で行います。 |
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スロープを用いた車載 車椅子用の長さ3mのスロープを使い、望遠鏡を転がして車載できるようにします。 スロープの角度は11.3度程度で必要な力は全重量の約20%の30kgfとなります。 人力だけでは厳しいかもしれません。 |
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車載レイアウト 機材は積み上げて軽バンまたはミニバンにコンパクトに車載できるようにします。 仮にホンダの N-VAN を想定して車載をレイアウトしたところ余裕を持って全て載ることがわかりました。 実際はこれに脚立と防寒着が加わります。 |
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ジャッキを使った主鏡の着脱 主鏡を主鏡セルから取り出す時には車載ジャッキを使います。 安全に主鏡を押し上げられるよう専用の三つ叉のジグも製作します。 |
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主鏡洗浄台 主鏡洗浄は専用の洗浄台を用意してこの上で行います。 洗浄後の水切り・乾燥のため主鏡は15度程度傾けられるようにします。 |
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主鏡運搬カート 主鏡をミラーボックスから洗浄台に安全に移動させるための専用の低床カートを用意します。 主鏡洗浄はこのカートの上で行い、洗浄後の水切り・乾燥もこのカート毎傾斜させて行います。 |
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単管パイプ三脚とレバーホイスト 主鏡等の重量物の取り扱いは単管パイプ三脚に250kgのレバーホイストを使って吊り下げます。 全ての作業が1人で行えるよう、安全・確実に行える方法を検討します。 |
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